imac再利用大作戦

皆さん、使えなくなったコンピューターってどうしてますか?え?捨てる?そりゃ

そうですよね。僕も基本的にはハードディスクを取り出して物理的に破壊し悪用され

無いようにした上で廃棄します。

ただですね、マッキントッシュのコンピューターって筐体がアルミで出来ていたりして、

なんだか捨てるのがもったいないんですよね。

実際にG5の筐体でバーベキューグリルを作ったり机を作ったりしている方もいる

ようで、良くそう言ったリサイクルを目にします。

さて私のimac。既に10年以上が経過し最新のOSも乗せることが出来ず、とりあえず

ネット検索用として奮闘していたのですが、良く拝見するホームページが次々

閲覧できなくなり、ついにヤフーまで見られなくなりました。そうなると検索用マシン

としての役目も果たせなくなり事実上無用の長物と化してしまったのです。

中に入っていた膨大な写真データを何とか救出し、「これでいつでも捨てられる」

と言う状態にしたモノの、よく見ると筐体は立派なアルミ製。ネットで売りに出して

いる人もいるようですが殆ど需要など無いご様子。やはり捨てるしかないのかなと

電源を落としたimacを見つめると、電源が落ちて黒くなった画面に私の悲しげな

顔が写っているわけです。あぁ、せめてこれが鏡だったらまだ使えるのにね。

そう思ってピンと来ましたね。そうか、こいつを鏡にしちゃえばいいんだ!

調べてみるとフィルム状の鏡なるものが売っていて、これをガラス面に貼ると見事に

鏡になると言う優れもの。よし、このフィルムを貼ろうと思ったのですが、鏡として

使うには重すぎる。何とか中身を取り除けないかと思って調べてみると、何とこの

画面、吸盤などがあると簡単に外せると言うことが分かりました。

んでやってみた訳です。

吸盤を貼り付けて軽く引っ張ると・・・・・





こんな感じでペロンとガラス部分がはずれるわけです。

ガラス面を外すと縁の部分にねじがありますから、そいつをせっせと外していきます。

ちなみにこのねじ、プラスでもマイナスでもない星形のねじです。なので普通の

ドライバーでは対応できないわけですが、最近は何でも便利になりまして、なんと

100円ショップでこの特殊ドライバーセットが購入できます。ただし100円では買えず

200円しましたが、(税込み220円)20個ぐらいの精密ドライバーのビットがセットに

なっているので大変お得。おそらくそんなに使うこともないと思いますが一つあっても

まぁいいでしょう。と言うわけでそのドライバーでせっせとねじを外していくとモニターと

表面のパネルを止めている枠が外れ・・・・・・





こんな状態になりまする・・・・。

更にねじをねじねじしてモニターを外すと・・・・・・





こんなん出てきます!!

モニターは細い配線で接続されているのでそいつを外していくわけですが、この

配線はとても細かったりデリケートなカプラーでつながっているので、無用な力を

かけないように、やさしく、やさしく、ていねいに、丁寧に、根気よく・・・・・・・・・・・・

・・・・なんてやるわけねぇだろう!だってこのモニターはもう使いませんからね。

とりあえず極力丁寧に外していきますが、だだをこねる奴がいたらもう力業です。

思いっきり引きちぎってやりましょう。

更に臓物を引っ張り出して行くわけですが、これら臓物も星形ねじで固定されて

いるため、imacを分解するなら星形ドライバーの購入は絶対必要ですね。

それもそれほど固くしめられているわけではないですが、無理して+ドライバーや

マイナスの精密ドライバーなどでこじ開けようとすると結構簡単になめちゃいます。

そうなるともう取り返しがつかず、最悪ドリルでもんで取るなどと言う処置が必要に

なり、イライラマックスになるので分解したいと思っている人は220円握りしめて

100円ショップに走りましょう。

さて、ねじねじしてむかつく星形ねじを取り外し、ちぎっては投げ!ちぎっては投げ!

こんなに沢山取れましたぁ!!





ちぎっては投げしたスピーカーやら電動ファンやら色々です。

もうどうせ使わないからと言ってその扱いをぞんざいにしてはいけませんよ。

今まで一生懸命働いてくれた部品達への感謝をこめて、外した部品達は丁寧に

箱に詰め、お礼を言ってから廃棄しましょうね。

感謝のない人間は、法律や常識や事実よりもロウソクの方が大事な人たちと同じ

あちらの方々のレベルになってしまうので要注意です!

さて、内蔵を全て取り出したimac君にフロントパネルとガラスをよいしょと付けてみる

とこんな感じです。





本当は中を物入れにしたいと思っていたのですが、案外スペースがないんです。

それに中央部に鎮座している「メカメカしい何か」が見えますでしょうか?

これは画面と脚を接続しているちょうつがいの部分なのですが結構なボリューム

なんですよ。こいつがなければ最も容量を稼げる中央部に物入れを設置しても

良かったのですが、これは外すわけには生きません。なのでこの機能を避けて

物入れを作るかあきらめるか。

もしこの機能を避けて物入れを作る場合、むかって左側はそれなりの長さが確保

出来そうですが、端にむかうほど浅くなるため最深部で薬センチ、最浅部だと

2センチちょっとの奥行きしか確保できないので収納する物も選ばないといけません。

それよりもその形状の箱(と言うか物入れ)を作るのが結構やっかいそうです。

かといって作らないでとりあえず何かはいる物を入れればいいんじゃないと思う方も

いると思いますが、おそらくちゃんと物入れを作らないと何かを収納するのはかなり

難しいというか無理があるというか・・・・・・。

と言うわけで、中に物入れを作るのはとりあえずお預けと言うことで・・・・。

で、取り外したガラスに鏡フィルムを貼り付けるわけですが、色々調べてみると鏡

フィルムは完全な鏡と違い像にゆがみが出る事があるようです。貼る物が平面の

場合このゆがみはかなり少なくなるようで、ガラスに貼り付ければほぼ問題ないと

言うことですが、またまた調べてみるとどうやらこのガラスのサイズに鏡を切って

貰った方がフィルムを買うより安いと言うことが分かりました。

大体ですが、フィルムだと1万円弱、鏡をオーダーすると6千円程度のようです。

だったら鏡の方がいいじゃないの!・・・・となりますでしょ?え、ならない?

そうですか、じゃ、いいです。僕はガラスの鏡にしようっと。

そんなわけでガラス屋さんに鏡をオーダーすることにしました。

imacのガラスは縦が560ミリ、横が365ミリ。ただよく見ていただくと分かるとおり、

ガラスの四隅がまあるく加工されています。なのでただ上記の寸法で切っただけでは

嵌めることが出来ません。特殊な形で処理されていたらお手上げだったのですが

(もしそうならフィルムで対応するしかなかったですね)、通常のR(曲がり具合)を

指定すれば大丈夫そう。ちなみにimacのガラスの四隅は15Rです。

問題はガラスの厚さです。imacのガラスは1.5ミリほど。背面にコンマ何ミリかの

金属がついていて、それが本体側に設置された磁石と作用してガラスを保持して

いるわけです。この金属の板厚はおそらく0.5ミリもないと思います。

さて、かがみようのがラスは最薄で1ミリ。その次が2ミリです。オリジナルのように

筐体とツライチのガラスにするためには1ミリの鏡を選択し、保持用の金属の厚みで

調整するしかありません。しかし1ミリのガラスでは耐力的に問題があるように思い

ます。ただ付けておくだけならまだ良いのかも知れませんが、もし内部を物入れと

して使いたくなった場合など、ガラスの取り外しの際に細心の注意を払わないと

割れてしまう可能性があります。また、1ミリのガラスでは「ゆがみ」が出る可能性も

指摘されました。もしきっちり作るのであれば、1ミリの鏡を選択して裏に設置する

厚み調整用の金属を井桁や梯子に組むなど工夫して補強として使う等すれば

対応でき無いこともないでしょう。でもなぁ・・・・めんどくさいし・・・・・。

と言うわけで鏡のガラスは2ミリののものを選択することにします。これだと筐体から

0.5から1ミリほど鏡(ガラス)が飛び出てしまいますが、まぁいいでしょ。

安全を考えると強度はおろそかに出来ませんしね。

・・・・・と言うわけで注文した鏡が届きました。ちなみにですが加工公差については

甘受するしかありません。加工公差は0プラスマイナス2ミリらしいのですが、今回の

ように例えば365ミリで指定する場合、プラス側とマイナス側のどちらに公差を

設けるかがポイントになります。プラス側、マイナス側というのは例えば356ミリを

絶対越えないようにするか、365ミリを基準にして広がる側に公差を設けるかという

事なのですが、今回の場合枠のサイズが決まっている為365ミリを越えてしまうと

はめ込むことが出来なくなるためマイナス公差でお願いすることにします。

と言うわけで鏡ができあがりました。写真はまぁ・・・・。

できあがった鏡をiMacの筐体にあてがってみると、左右はバッチリですが上下が

1ミリほど短い様ですね。マイナス公差でお願いしていたのでしょうがないですね。

大きすぎてはまらないよりはよっぽどマシです。大体1ミリの誤差などあまり分かり

ませんからヨシとします。

さて、できあがってきた鏡は単なる鏡ですのでiMacにどうやって装着するか考え

無ければなりません。そのまま接着剤で付ければ訳ないんですが、せっかくなので

iMacのようにガラス面を外せるようにしたいんですよ。ほら、「物入れに」とか言って

いたでしょ。元々のiMacのガラスにはうっすーい金属テープが貼られており、そいつ

が本体に設置されたマグネットでくっつくようになっています。一応位置決めのピン

もついていますね。で、こいつを引っぺがして鏡に移植することにします。

ちなみにこちらがiMacのガラスです





ガラスの真ん中にある金属がそれです。こいつがガラスの外周にぐるっと取り付けて

あるのでそいつを取り外します。カッターナイフの刃をあてがってこりこりと剥がして

行くんですが、何しろうっすーいので剥がすと丸まってしまうので苦労します。

綺麗に剥がして両面テープを貼り、それを今度は鏡の方に貼り付けていくのです





ほらね、よく見ると銀の金属テープがうねうねしているでしょ?これでも相当気合いを

入れて板金(と言うのかな?)して平らくしたんですよ。別にうねうねしていても構わ

ないんですが、その分厚みが出るのがいやなのです。なのでしっかり伸ばしてやり

ましたよ。ちなみにこの画像では金属テープを鏡に貼った状態で写ってますね。

これが大失敗。左右はきっちりのサイズだったので左右を決めて、上下は下側を残し

はめ込んでから調整しようとしたのですが、前述の通り位置決めのピンがあるため

わずかにずれてしまいきっちりはまりません。おかげでこの状態からこんどは鏡から

金属テープを剥がす羽目になりました。iMacのガラスの時はどうせ廃棄しちゃいます

からなにも考えずにカッターの刃で削り取っていきましたが、今度はそうはいかない

のです。なんと言っても鏡の裏側に傷を付けてしまったらそこだけただの鏡になって

しまいます。なのでとりあえずは金属テープがよじくれるのも気にせず何とか鏡の

裏面に傷を付けないように慎重に剥がします。そして再び板金。もう途中で気持ちが

くじけそうでした。が、ここまでやって(しかもお金もかかってるし)途中であきらめる

訳にはいかないので泣きながら作業です。

どうすれば良かったか。

答え:金属テープに両面テープを貼り付けてからiMacの筐体(本体)にセットして

から鏡をあてがい、大まかな雰囲気をつかんでから両面テープの保護を剥がし

鏡を再びあてがってやればよいのです!あぁ、何で最初からそれに気がつかな

かったんだろう。おかげでものすごく余計な手間が増えちゃったよ・・・。

まぁ、そんなこんなでいろんな苦労をしてできあがったのがこちら





なんだか上手に撮れていないですが、そこは察してください。

本当は「ほら!すてきでしょ!」ってかんじで撮れればいいんですが何しろ鏡。

どうやったって撮影者や背景が写っちゃう。そこに写っている物が素敵な物なら

それはそれで絵になったでしょうがそれが無理なの、分かってくれますよね?

え?そんな物分からない?では極力背景になにも写らないように頑張ったその

努力だけ認めてください!あぁ、どうもありがとう。

と言うわけでめでたく完成。正直言ってものすごく良くできたと思います。

ただ予想外だったのが「思いのほか巨大」だと言うことですね。と言うか、モニター

だったときよりもなんだか巨大に見えますが、鏡としては非常に使い勝手が良い!

と言うわけで思った以上に良かったので中古で筐体買ってあと2、3個作ってみよう

かな、とか思ったりしています。