オプティマス123とコールマンピーク1

僕はバイクでツーリングなどをするのが好きなので、携帯用のストーブをいくつか所有

しています。

どこのだか分からない、30年以上前のコンパクトガスストーブ(ガスタンクをつけるやつ)

と、上記123とピーク1です。他にシナ製の携帯ガスボンベが使えるガスストーブも

あるけど、今回は「ホワイトガソリン」を使うストーブについてちょっと書いてみましょう。

さて、僕が初めて買ったストーブはガスストーブ。仲間達と行く北海道ツーリングの

ために急遽購入したので、当時はお金もないので一番安いそれを買いました。

その時はみんな同じような物を使っていたので何とも思わなかったのですが、その後

ツーリングでキャンプ場を訪れると、ツーリングライダー達が使っているのは「ホワイト

ガソリン」の物が多く、それらは使う前に「ポンピング」や「プレヒート」と呼ばれる加圧

を行い炎を安定させるのですが、この作業が何ともかっこいいんですよ。

コックをひねってすぐに火が付くガス式と違い、いかにも「キャンプしてます」的な動作が

たまらない。それにガス式はガスタンク(っていうのかな?)をいくつか携行しなければ

いけないのに対し、ホワイトガソリンのそれはボトルから給油するその姿がまたいい。

で、どうしてもホワイトガソリンのストーブが欲しくなり、いろいろな山岳ショップを見て回る

事数回(当時はインターネットなんてないし、調べようもないので店に行って現物を見て

店員さんの話を聞くのだ)、店員さんの意見の多くは123かピーク1がいいというのが

多かったんですね。

散々迷ったあげく、僕は123を買った。123を買おうと思い始めてからはピーク1は

選択肢から消え、最後に123と迷ったのは8Rだったのだがそれはいいとして、

123はその後大活躍。プレヒートというのはプレヒートトレーにメタ等のスターターを

載せ、それに火をつけて暖めタンク内を加圧するのだが、メタを載せて火をつけると

それが跡になるし掃除も大変なので、僕はいつもホワイトガソリンをぶっかけ、本体を

丸ごと燃やす「火だるま作戦」でしのいでました。

確かに火力の調整は難しい物の、若かりし頃の僕がそんな細かい火加減を要する料理

等するはずもないし、これで十分。一つのバーナーでご飯を炊き、肉を炒め、お湯を

沸かし味噌汁を飲みました。

購入してから一度の不具合もなく、つまり一度も裏切られることもなくいつもしっかりと

仕事をしてくれる。僕にとって最高のパートナーです。

だが結婚し、子供が出来て家族でキャンプなどをするようになるとバーナー一つでは

ちょっと寂しい。そこで当時123と熾烈なデッドヒートを行ったピーク1を買うことにした。

おいおい、8Rはどうした!という声が聞こえなくもないですが、それは別の機会に説明

するとして、新しくてにれたピーク1は123と同じホワイトガソリンのストーブではある

ものの、全く違ったキャラクターを持っているんですね。

使用前にタンクに付いているポンプをシュコシュコやってタンク内の内圧を上げてやれば

プレヒートなどを行わなくても着火する。一度火が付いてしまえば段々と火力が安定し、

火力が安定すると案外と火力調節も楽に出来ます。

非常に粗野で荒っぽい123に比べ、ピーク1は何とも上品、毎回プレヒートで火だるまに

する123はすすけて汚くなっていくのに、ピーク1は汚れる要素がありません。

能力的には、例えば1リットルのお水を沸かす場合など、どちらかというと123の方が

早いような気はする物の大差はないでしょう。料理などをするときの本体の安定性は

本体が太いピーク1の方が安定しているのは当然かな。

じゃぁ、ピーク1の方がいいストーブなのか?これは非常に悩みどころですね。

ただ、好き嫌いで言えばハッキリしてます。僕は123の方が好き!

ピーク1はメンテナンスをせずほったらかしておくとポンピングのポンプがいかれて

使えなくなることがある。赤ガスを入れて詰まることもしばし。

だが123はそんなことお構いなしで30年間使いっぱなしでいちども壊れてません。

それに何より、その「風体」が粋ですよ。ブラスで出来たシンプルなボディー。

使いこめば使いこんだだけアジが出てくる。キズもまた思いでの一つ。

車などで家族でキャンプをする場合などはピーク1の方がいいでしょうね。

けど、バイクに最小限の荷物を積んでキャンプツーリングをする場合、そのパッキング性

やら、使い勝手も大事だけど「雰囲気」というのもとても大事なんじゃないかと思います。

単純にキャンプツーリングが好きな人はピーク1でもいいでしょう。だけど僕は一人で

キャンプツーリングをしている自分に酔っているナルシスチックな部分があるんです。

夕暮れ時、ツナのおにぎりを解体してフライパンで炒め、即席チャーハンなどを作るのは

ピーク1がいいかも。だけど、ちょっと立ち寄った景色のいい岬などで、使いこんで

へこみだらけの上にすすだらけのパーコレーターで珈琲を入れるときなど、絶対に

123の方が「絵になる」と思う。そしてあえてめんどくさい123で、これまたインスタントで

いいのにわざわざ豆をバンダナに入れて砕き、パーコレーターで珈琲を入れると言う

「動作」に酔う。これぞキャンプツーリングの醍醐味の一つじゃないかとおもいます?

・・・・え?で、結局何が言いたいのかですって?

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・うーん、使いこんだ愛用の123が自慢したかっただけかも。


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