アウトドアとナイフについて

アウトドアとナイフは切っても切れない間柄。ナイフだけに「切っても切れない」とは

これいかに!・・・・・・失礼しました。

ま、とにかくアウトドアにナイフは必需品中の必需品、絶対に必要な物であります。

僕が初めてナイフを手に入れたのは小学校2年生の時、「肥後の守」ってやつです。

原っぱに友達と遊びに行くときも、学校に行くときもこいつを常に携帯していて、

学校ではえんぴつ削り、原っぱでは落ちている木の枝を削ってチャンバラ用の刀

作りなど、様々なことに利用しました。実は僕が小学生の頃、肥後の守はあまり推奨

されず、ボンナイフと呼ばれるかみそりの刃を使った折りたたみ式のナイフが推奨

されていて、学校用の筆箱などにはこれが入っていたのですが、当時の子供達は

原っぱに行くと学年など関係なくみんなで遊ぶため、高学年のお兄さんが「こっちの

方がいいんだぜ」と自慢げに見せてくれたのが忘れられず、親は買ってくれないので

おばあちゃんにねだって買って貰ったんです。

自分に向けて枝を削って手を切ったり、しっかりたたまずにポケットに入れて指を

切ったりして利便性と同時にその危険性を学び、また、年上のお兄さんから「切れ味

が悪くなったら平たい石で研いで切れ味を復活させる」事なども学びました。

小学校中学年から高学年にかけ、ボーイスカウトみたいな団体に入会したのですが

この時初めておばあちゃんからビクトリノックスのアーミーナイフをプレゼントして

貰いました。大小2つのナイフ、栓抜き、爪楊枝と毛抜きが付いたシンプルなモデル。

でももう、うれしくってうれしくって、それこそどこに行くのも絶対に携行。

それ以来、僕はキャンプに限らず日常でも必ずナイフを持つ癖が付いています。

別に喧嘩をするためではありません。というか、ナイフと言って喧嘩を連想する様な

お馬鹿さんはナイフを持つべきではありません。

ポケットナイフはそれこそ、トンカツ屋さんにいって大きすぎるトンカツを一口サイズに

カットするとき、シャツの裾から糸くずが出ているとき、郵便物をあけるとき、なんだか

素手でさわるとやばそうな虫をつんつんするとき等、ありとあらゆるところで活躍

します。

ビクトリノックスの「スイスチャンプ」など、その多彩な機能から「こんなの必要ない」

と言う人も多くいますが、僕が世界中旅をした経験の中で、この機能、殆ど全部

使いましたよ。まさに小さなツールボックスです。とにかく有ると便利とかそういう

レベルではなく、僕にとってナイフは「無くてはならない」物です。

さて、前置きが長くなりましたが、キャンプとナイフ。

キャンプにはナイフは必需品ですが、では一体どんなナイフがいいのでしょうか?

これは「どんなキャンプをするか」によると思いますが、一般的なキャンプで有るなら

普通のご家庭で使う「ペディナイフ」が一番でしょう。

というか、コンビニなどで売っている「果物ナイフ」。これがベストではないかと。

と言うのも、キャンプをする上でナイフを使う状況というのは「料理」がメインじゃ

無いかと思います。料理をするにはなるだけ大きめの「包丁」がいいんですが、

そんな物を持って行くのは大変です。もちろん携帯しているビクトリノックスの

大刃でも対処できるのですが、これまたちょっとやりにくい。

それにキャンプにおいてはまな板等という贅沢な物がある場合は少なく、たいてい

石やテーブルの上で食材を刻みます。そうなると、切れ味の良いビクトリノックス

等のナイフだと「刃、大丈夫かな」というもったいない精神が働いてしまいます。

しかしコンビニなどで売っている安物のナイフならそんな心配いりません。

ナイフの世界に「安物ナイフ労組」などと言うものがあったら瞬間的に断交の対象に

なりそうな発言ですが、ナイフの世界に労組なんてないし、人間の世界でも労組で

騒ぐバカというのはほぼ間違いなく会社のためにも社会にためにもならない脳タリン

ばかりなので無視。

案外とバタフライナイフというのも細くコンパクトになり、刃渡りも長いので便利では

有るのですが、警察の悪意の持ち物検査があった場合など、いじめられる原因に

なりかねません。そこ行くと果物ナイフは安全。

それに、バタフライナイフを始め殆どのナイフは刃が結構厚く、食材を切るのに

適していませんが、果物ナイフならこれまた非常に使い勝手がいい。

そうそう、往年の名作バックナイフもハンドルの重さが有りすぎて、使いにくいです。

(特にリンゴなどを剥く場合)というわけで、最高のアウトドアナイフというのはその辺

のコンビニなどに売っている「果物ナイフ」が最強だ!と勝手に決定。

と、ここで話が終わるかと思うともう少し続きます。

今はキャンプ場などが整備され、藪を切り払ったりと言うことはしませんが、僕が

海外某所でレンジャーごっこをしているときの経験を少し書いておきますと、本当に

何もないところで生き抜いていくのであれば、刃渡りの長いサバイバルナイフとか

漁師さんが使う「ナガサ」みたいな物で無ければ役に立ちません。

動物をしとめても小さなナイフでは解体できません(出来ないことはないが非常に

手間取る)し、そもそも動物をしとめるところから考えると小さなナイフではまるっきり

役に立たない。自分が進むべき道を切り開くのにも小さなナイフでは歯が立ちません。

本来そういった藪に立ち入る場合はブッシュナイフが有効、というかそれがないと

やってられないのですが、刃渡りで15から20センチ、全長で30から40センチの

おおきめのサバイバルナイフが有れば代用できます。

なので、ジャングルに立ち入るとか、本当に何もないところで生き抜かなければ

ならないという事であるなら、ランボーやクロコダイルダンディーが持っているような

サバイバルナイフやボウイナイフがおすすめです。

でも日本のキャンプではほぼ間違いなく、と言うかぜーったい!と言っていいほど

そんな物使いません。いや、使おうと思えば大きなローストビーフを切り分けるときなど

使うことが可能ですが、そんなチャンス、そうそう無いでしょ?

だから日本でのキャンプの場合ビクトリノックスなどのアーミーナイフとコンビニなどで

売っている果物ナイフが最強です。

ちなみにですが、アーミーナイフは「プライヤー」が付いている物が吉です。

アウトドアではドライバーなどより案外とプライヤーが役に立ちます。

と言うわけで、僕はポケットにいつも忍ばせているツールとして、レーザーマンの

スケルツール(これはプライヤーがメインの機能のためとても便利)、バックの中の

キャンプ道具と一緒に「果物ナイフ」。そして緊急用にバックの片隅にビクトリノックスの

スイスチャンプ。そんな構成になってます。

スケルツールがあるならスイスチャンプいらねぇじゃん!そんな声が聞こえますが

そんなこと無いですよ。

スイスチャンプに付いている毛抜き、ルーペ、爪楊枝は案外重宝するのです。

アウトドアでは案外ととげが刺さるものでして、これを抜くすべは毛抜き以外無い。

いや、毛抜きが無くても小さなナイフ(僕はマルチツールの小さなナイフはこのように

とげを切り出したり、毒虫に刺されたところを切って毒と一緒に血を吸い出す時のメス

として使うため、ため普段は絶対使いません。切れ味が落ちたら困るので)で何とか

とげの回りを切り開き摘出したり、気にせず放置するという手もありますが、有れば

絶対有りがたさが分かりますよ。ついでにそのとげを抜くときにルーペがあるので

なお吉です。(若者には理解できぬであろう老眼の辛さよ・・・。)

状況にもよりますが、スケルツールかスイスチャンプ、どちらか一つしか持って

いけないのであれば、僕はスイスチャンプを選ぶかな。

熱くなったコッフェルを持ったりするのにプライヤーはとても重宝で、そのため

レーザーマンのスケルツールを携帯するのですが、、スイスチャンプも小さな

プライヤーが付いていてこれで代用できなくもないので・・・。

まぁ、ナイフについては人それぞれいろいろと意見があると思いますが、タガーナイフ

に規制がかかって以来、妙に警察の方々のナイフ携帯に関する目が厳しいです。

僕はそれまでスイスチャンプを専用のケースに入れベルトにつるしていることが

多かったのですが、ある人のブログでそれを警察に見つかりとがめられたというのを

目にして以来、極力いらぬ誤解は招かぬよう、注意をしております。

飛行機に乗るときしかり、町中しかり、アーミーナイフでハイジャックや強盗をする人

なんているはずはないのですが、そういうのが規制の対象になるのであれば、誤解は

招かぬ方が吉。そこ行くと果物ナイフはどう見ても「お料理用」がいいところ。

だからキャンプ道具もって旅している人であれば、いくら意地悪な警察官の人でも

まず文句は言わないと思うんですがどうでしょう?

ちなみにですが、銃刀法22条によって、携行できる刃物は刃渡り6センチ未満と

決まっているそうです。なのでスイスチャンプはアウトですね。

ふと思ったんですが、オルファのカッター。あれ、思い切り刃を出すと10センチぐらいに

なるような気がするんだけど、どうなんだろう?

ちなみにサバイバルナイフなどを持っていても、キャンプなどの目的がハッキリしている

場合は許してもらえるそう。

蛇足ですが、学生の頃バイトしていた居酒屋の板前さんが、出勤時職質を受けて

鞄の中身をチェックされたら柳刃やら出刃やらが出てきて騒ぎになり、店長が

身柄引き受けに行ったことがありました。プロの料理人が包丁持っていてこの有様

ですから、一般人の我々は刃物の携帯には十分注意しましょう。