銃規制、非常に難しい問題ですね

                                                     
自身も銃乱射事件の被害者であるアメリカロックバンドのイーグルス・オブ・デスメタル

のボーカルであるジェス・ヒューズさんが、フロリダ州の高校で起きた銃乱射事件を

受けて高校生が呼びかけた「私たちの命のための行進」に参加した生徒らを「反逆者」

と呼んだだことで、激しい批判にさらされているようですね。

僕はこの人の発言に対しては激しい嫌悪を覚えるけれど、言わんとしていることは

何となく分かるような気がするんです。

僕はアメリカの銃規制というのは、日本の「暴力団対策法」に似ているような気がします。

日本で「暴力団は悪だ」という理念の元、必死で暴力団つぶしをしたのが暴対法な訳

ですが、暴対法の施行によって確かに暴力団は壊滅的なダメージを受け、今や

暴力団員と言うだけで基本的人権すら与えられない程悲惨なことになっています。

では暴力団がこれほど弱体化したわけですから、犯罪もさぞ減ったかというと全くそんな

事はなく、今まで以上に悪質で不愉快で危険な犯罪が激増している様に思います。

誠に浅はかで現実が見えていないお馬鹿さんが「暴力団が悪の巣窟!暴力団が減れば

犯罪も減る」などと思って作った法なのでしょうが、実は暴力団というのは「どうしようも

無い社会のクズ」をとりまとめる機関でも有ったわけです。

そういった必要悪としての暴力団の存在をしっかり理解せずこのくだらない悪法を作った

おかげで、半グレなるハンパなワルが横行し、今まで以上に堅気の人が多くの犯罪の

被害に遭う結果となったわけです。

要するに「暴力団を無くしても犯罪は無くならない」と言うことなのですが、ではアメリカの

銃規制について考えてみましょう。

銃の乱射が起きるのは「誰でも銃が持てるからだ」という発想の元銃を規制したとします。

「もうアメリカでは民間人が銃を所有することは出来ません。今所有している銃は速やか

に政府に提出してください」と言って素直に銃を差し出すのはおそらく「善良な人、真面目

な人」のみでしょう。或いは「銃は登録してある筈なので、それを頼りに戸別に訪問し、

銃の提出を求め」ればいいじゃないかと言うかも知れませんが、ちゃんと銃を登録してる

人というのはこれまた「正しい(つまり防衛など)目的のために正規に銃を所有している

ひとで、それまで犯罪を犯してないから銃を持てるわけです。逆を言えば、犯罪者が

持っている銃の多くは未登録であったり盗品であったりするわけです。

つまりどういう事かというと、銃規制をして一般市民に銃を持たせないようにした場合、

こっそり銃を持っているのは「悪人だけ」と言うことになるわけです。

そうなったら悪人天国じゃないですか!!今は人の家に押し入った場合、その家の人が

自己防衛のために銃を持っている可能性も有るからそれが抑止力になるというか、犯罪

者もおいそれと人の家に押し入ったりは出来ないでしょうし、或いは押し入った場合でも

銃で防衛することも可能なわけです。

しかし市民が銃を持っていないと分かれば、今度は堂々と押し入ることが出来ちゃいます。

これは怖いですよね。

ハッキリ言いましょう。僕はアメリカは既に銃規制をするのは無理な状況に陥っている

と思うのです。

もし本気で銃規制をしたいのであれば、まずは銃を取り上げるのではなく、銃を使って

犯罪を犯した者を重罪に処す処から始めるべきでしょう。

銃を使ってと言いましたが、もっと正確には「銃を持って犯罪に挑んだものに対して重罪を

課す」ということです。

強盗をするのに銃を向けたとします。向けただけで撃たなかった場合、或いは強盗に入ろ

うとして事前に見つかってしまい未遂に終わったけど、銃を持っていた場合など、おそらく

数年の刑務所暮らしで済んでしまうのではないかと思います。しかしこのように銃を持って

犯罪を行った場合は最低で15年とか、場合によったら終身刑。銃で人を傷つけた場合

死刑とか。そういう風にして「銃など持っていると損しかない」という意識を国民に植え

付けてからでないとムリでしょう。

それにアメリカはこれまでずっと銃社会だったわけですから、「誰かの形見」とか「歴史的

価値のあるレアもの」なんてのもあるでしょう。これは「資産」としてお金でカタがつくもの

で有ればまだいいですが、「思いで」などが絡んだ場合なおさら一筋縄ではいかない事に

なるでしょう。

改めて言いますが、ジェスヒューズさんの発言を肯定するわけではありません。

しかし、アメリカにおいて「銃を規制しよう」などというのは本当に「きれい事」のような

気がします。

もし本当に銃規制などしてしまったら、日本の暴対法のように一番困るのは「一般市民」

と言うことになりかねません。

アメリカが今すべきなのは銃規制ではないと思います。では何か。

「常識の通じる社会の再構築」なのではないかと思います。

会社で馬鹿な社員をしかったら「パワハラ」。綺麗な女の子に声をかければ「セクハラ」

黒人さんに「黒くて綺麗な肌だね」と言えば黒人差別。ホモの男に「俺はその気はないから

近寄らないでくれ」と言えばホモ差別。マクドナルドのドライブスルーでコーヒー買って

またの間にそれを挟んで運転していたら車がバウンドしてコーヒーがこぼれ、やけどを

したと言って訴えればマクドナルドが負け、どう考えても有罪なOJシンプソンはすご腕の

弁護士によって無罪にされる。そんなクソみたいな社会に生きていれば、手元に有る銃で

片っ端からぶっ放したくもなるでしょう。

アメリカ人は日本人にたいし「何を考えているのか分からない」とか「ニコニコしていても

腹で何を考えているか分からない」と言いますが、それは周りの人と余計な軋轢を生ま

ないで、平和にやっていく手段の一つなんです。

じゃぁアメリカ人はハッキリ自分の意見が言えているのでしょうか?

本当は移民にイライラしているのにそれに関することを言うと「レイシスト」と言われてしまう

から何も言えない。ホモは気持ち悪いと思ってもそういう意見は言えない。黒人が「この

シロンボ野郎!」と言ってもさして問題にならないけれど、白人が「クロンボ」というと

大問題になり暴動まで起きる。そういうことに対して「おかしいだろ」という人はいない。

アメリカの方が日本よりよっぽど発言に気をつけなければいけない。

そのうえ少し金が入ると慈善活動やら寄付やらおさかんだけれども、それは

金を儲けた人のポーズであり、国民全員が助け合うというスタンスにはほど遠い。

そんな偽善と欺瞞しかない国だから銃の乱射が止まないのです。

トランプが「教師を武装させる」と言って大バッシングを受けましたが、僕はそれが一番

良い解決策・・・・と言うより被害を最小限に抑える方法なのではないかと思います。

学校で銃を抜いて構えた人を発見したら即射殺。それが一番なのでは無いでしょうか?

最後に、銃は人を殺したり怪我をさせる道具です。しかしながらそれを使うかどうかはその

人次第。銃が人を殺すわけではありません。「人が」銃を使って人を殺すのです。

アメリカのみならず、世界中から銃による犯罪が無くなる日が来ることを祈っております。