最近の使い捨てになった車やバイクと違い、僕の愛車達はしっかりと手を
かけてあげなければなりません。オイルやクーラントを見るのはもちろん、各種
ベルトなどの張り具合、各部ボルト類のゆるみがないか確認、また、リンケージや
ワイヤーによって動作する各部の確認等々。
古い車やバイクに乗っている人というのはそれも楽しみの一つなのでは無いかと
思うんですが、旧車を所有する人というのはいくつか種類があって、例えば完全に
綺麗な状態を維持していたい人やとにかくそれに乗りたい人がいて、それぞれに
オリジナルで維持するか、或いは動かすことを前提に整備するかと言う区別もまた
出てくるのではないかと思います。
基本的に飾っておいて、たまにそれに乗るのが趣味というのであれば、しずしずと
運転し、帰ってきたら徹底的に磨き上げる。それが僕の趣味だと言える方は
「常に最上級の美しさを求める」訳ですからそれが可能というか、それこそその車
を所有している目的なのでしょうが、僕の場合「乗る」のが好きなんです。
古い車というのは乗り込んでスイッチを押せばいつでもエンジンがかかると言う
モノではありません。毎日乗っているのであればまだいいんですが、すこし期間が
開いてしまった場合キャブのガソリンが気化してしまっていてすぐにかからないとか
寒いときはチョークを引いてやらなければかからないとか、或いはピストンリングと
シリンダーの間隙が今ほどシビアじゃないためオイルなどが減っている可能性も
あるし、同じ理由で暖機運転をしないと走り出すこともままなりません。
僕はタイヤの空気圧、エンジンオイル、各部のグリスアップの状態や、乗ったときの
異変に注意を払い、万が一おかしいところがあればその原因をしっかりと追求し
修繕を行います。以前は「ミッションが弱い」とか「デフが弱い」などと言われていた
場合はそれ自体を先に強化品に変えていたのですが、最近は「現状壊れていない
なら手を付けない」という考え方に変化していますが、これは「オリジナルに拘ら
ない」と言う僕の性格によるモノで、オリジナルに拘る人はオリジナルを残したい
と言う理由でそれをストックする可能性があると思いますが、僕の場合「壊れたら
何とか直せばいいや」と思うようになってきたので壊れるまで使います。
さて、そうしてかわいがっている訳なんです。さてここである知人の話をします。
彼は「ダメになったら」という尺度ではなく「定期的に」あらゆる所に手を入れます。
例えばサスペンションなど「最近踏ん張らないな。バンプも収まらないし、へたって
来たのかな」と思いつつ暫く乗って「こりゃもうダメだ」という所で交換（若しくは
オーバーホール）・・・と言いたいところですがサスなどダメになってもエンジンなど
とちがい乗るには乗れてしまうためダメになっても暫く乗りつつ金銭的に余裕が
出来たときに対応するわけですが（僕の場合ね）、この友人はサスペンションの
オーバーホールは○○キロ。エンジンオイルは○年若しくは○○キロ。などと
へたっているかどうかは別にしてきっちりと期間を決めて整備しています。
なので彼のバイクや車を見ると、これが本当の意味で「よく整備された車」なのだ
なと実感します。オイルなどは交換時古いモノは捨ててしまっているようですが、
ベアリングやらブッシュなどと言った物は再利用が出来そうなモノはとりあえず
保管しています。彼曰く「もし部品が手に入らなくなったときに使えるように」と
言うことだそうですが、僕の場合その逆で「新品部品を購入」しておいて、古い
（現在着いている物）は使えなくなるまで使い、使えなくなったらストックしてあった
新品を使うと言うパターンです。
これ、結構考えさせられました。考えれば考えるほど僕の友人の方が正しいと
思うんです。だってダメになるまで使い倒すより完璧な状態を維持していた方が
その車にとってストレスがないわけですからよりいい状態でいられる。それに
僕がストックしている新品部品は1個ですが、彼は使い古しがいくつかある訳で
すから、その後の安心感が違う。
・・・・僕も彼を見習って同じようにメンテナンスしようかな・・・・と思うわけですが
決定的勝つ致命的な問題があります。
「お金がない」。いや、もっと正確に言うと「まだ使えるのにお金出したくない」
んです。なので特にそれを変える準備をしないから本当にダメになったとき
本当にお金が無くて交換できなかったりするわけです。なので彼のように定期的
に交換することを前提としてお金を貯め、それを実施する。車にとって最高の
オーナーですよね。よし、見習おう。但しすこし愛車を整理してからだ。
（何しろ僕は「要らないからあげる」等と言われ調子に載って他人様から頂戴した
「価値のない」車やバイクが結構あるので・・・・）