東南亜細亜のバイク達

東南亜細亜のバイク達という表題ですが、東南亜細亜と言うよりもフィリピン、タイ

インドやインドネシア、マレーシア、ロシアや中国と言った国のうちあまり裕福では

無い地域の人たちが乗っているバイクにとても惹かれます。これもやはり私の

持病である「汚れフェチ(使いこんだ道具に美しさを感じる)」による症状だと思い

ます。フィリピンのトライシクル、インドのベスパやホンダ、ベトナムのカブ、中国の

幸福号しかり、全てのパーツが日本で言うところの耐用年数を遥かに超えた

様な状態であるにもかかわらず元気に走っている。こういったバイク達は伊達や

酔狂で乗っているわけではなく生活の本当に大切な大切な道具であり、或いは

商売の道具なわけです。どれも決して高級な車種ではありませんが、オーナー

にとって大切な愛車であることは間違いありません。見てみるとピカピカに磨いて

いる人もいれば崩壊寸前状態の車体もありますが、おそらくはどれも当初は皆

ピカピカに磨かれ大切にされていたんだと思います。しかしそれらのバイク達は

「趣味で所有」されている物ではないわけですから使えば使うほど傷も増え、あち

こち消耗し、摩耗し、そして迫力のあのスタイルが出来るのでしょう。

これらのバイクを前にした日にゃぁ、アメリカのラットスタイルバイカーも裸足で

逃げ出すってモンです。というか、彼らのバイクの迫力に比べてみれば、ラット

「スタイル」と言うぐらいですからそれはスタイルであって「本物」とすこし違う

様な気がします。そう言ったバイクの存在感たるやもう・・・・。

更に言うと自分で鉄筋を君でそれに汎用エンジンを載せて作ったような自作の

乗り物なんかも目にしますが、これらも「遊びで作られた物」ではなくて本当に

必要に迫られて作られた物だと思うので何とも言えない迫力と味がありますね。

これ日本で乗ろうとしたらハッキリ言ってやってらんないと思います。

あちこちガタが来てるし、動かすのにコツがいるだろうし、或いはあちこち機能

しない部分があったり無理矢理修理してフランケン状態になっている部分も

あるでしょう。もうね、1回乗っただけで「お腹いっぱい」でしょうね。でもね、

不思議なことに現地だとこれらがなんの苦にもならなかったりするんです。

これはやっぱり「必要とされる道具だから」というその物本来の価値と存在意義

による絶対的なポジションが確立されている事によるかっこよさなんでしょうね。

こういったバイクは最近日本にも輸入されてきていて、主に125cc辺りの小さな

排気量で余計な物は一切ついておらずシンプル。タイプとしてはロード、アメリカン

スクーター、カブ系、オフロード系と多種多様ではある物の、ホンダのCDと言った

ビジネスバイク風のオンロードタイプと、ヤマハのTと言ったスポーツカブ系の

モデルが多いように思います。値段を見ると合点がいきますが、他のモデルより

安いんですよね。あ、スクーターはもちろん安いですよ。そんな中世界のホンダが

NAVI110と言う異端バイクを発売してました。してましたというのは2022年現在

既に新車での販売店が見あたらないので「してた」としたんですが、以前はなんと

アマゾンでも販売しておりその価格10万を切っていた事もありました。

9万8千円+送料1万5千円みたいな感じで。所が突然それが無くなりました。

当時からちょっと気になっていたんですが、無くなると余計気になる。探すと

中古車はいくらでも出てくるのですがそのお値段20万に届きそうな物ばかり。

物によっては20万を超えている物まである始末。どうしてそうなるの?

当然そんな値段では買う気になれませんからあえて無視しているんですが、

本当に気になるんですよね・・・・。そしてもっと気になることと言えばこのバイク

インドで乗られている映像がほぼ出てきません。本当にインドで売ってるのか?

謎は深まりますね。

中古車はどれも走行距離が短い物が多く、そう考えると多分「すぐ飽きちゃう」

のかも知れませんが、僕はだささと非力さとシンプルさを味わいたい・・・。

だれかNAVIを買ったけどもう乗らないという人がいたら僕に下さい。