おんぼろカブを買いました。

ヤフオクでボロボロのスーパーカブを買いました。お値段驚く無かれ4万円。

20年前だったら間違いなく「ただ」だったと思います。もうね、断腸の思いで4万

払いましたよ。何故かって?多分もっと高くなるような気がするから。

と言っても投資目的じゃありません。「カブについて学び、好きなようにいじるため」

です。僕は既にカブを2台持っています。1台は20年以上前に新車で買ったC90。

もう一台は先輩から貰ったCT110ハンターカブです。前者は生まれて初めて買った

新車であることと、走行距離至極少なくこのままノーマルで極めていい状態を維持

していきたいから、そして後者は「既にプレミア付き高級品」であり、そいつを僕の

つたない技術でいじり倒すことに忍びなかったため「心おきなくいじれる個体」が

欲しかったのです。ですがこのところキャブ仕様のカブの値上がりが凄くて、とても

じゃありませんが気軽に買える値段じゃありません。と言うかそもそもカブなんて

「乗ってないからあげるよ」と言って貰って来るような代物だったのに、今となっては

そんなこと言ってられません。だって日々値段が上がっていくんですもの。

あ、これは結構お買い得というかリーズナブルだなと思うと「インジェクション仕様」。

僕はキャブじゃないといやなのですがそのキャブ仕様が値上がってる。と言う訳で

なんとか妥協できる4万円(今となっては最安値ではないでしょうか?)で購入に

至ったわけです。うたい文句は「長期室内保管」「エンジン実働」でした。こいつは

「いじり倒す」為に購入した個体。部品が全部揃って居さえすれば、更に言えば

エンジンまでかかるんだったら事故車じゃなければ何でもいい!とポチリました。

しかも近くだったので出品者さんが運んでくれるというので。でまぁ、バンに乗せて

もってきてくれたはいいですが、「エンジンかけてみてください」というとすぐにキー

をひねってキックするもかからない。「あれ?この前はかかったんだけどな」という

のでバトンタッチして貰い始動にチャレンジしますが、チョークが効かないのはまだ

いいとして、「グリップ回らんやん!!」。つまりスロットルが動かない。これ、本当に

エンジンかけたんかいな?不思議なことにそんな状態なのにブレーキの固着は

ナシ・・・かと思ったらブレーキも動かない。車体も全体が錆びに覆われている。

更に燃料タンクは 別の車体(この車体は燃料計がないのにタンクは燃料計用の

配線が出ている)のもの。もう取引やめちゃおうかなと思ったんですが、よく見ると

あんまりやれて無い。走行距離はほぼ1万キロ。「こりゃ状態は良くないけれど

屋内保管」ってのは本当かも知れないと、取引することにしました。何よりどうせ

全部ばらしてやり直しだから何でもいいやと。元々やりたいことがありました。

20世紀少年のケンヂ仕様チョッパーハンドルと中華125ccエンジン搭載、それに

オリジナルペイントです。なのでまずは全部ばらして各部を整備しつつ、同時に

バーハンキットを装着し、それに応じてシールドの改造、それに新しいエンジンの

搭載って感じかなーなどと想像しつつ車体を眺めていたんですが、見れば見るほど

カブってのは完成された形をしているんですね。「ノーマルが一番格好いいんじゃ

なかろうか」と言う気持ちがもりあがってきます。大体あのハンドルとシートの距離で

エイプハンガーにしたら乗りにくかろう。と言うより「プレスハンドル」とそこにマウント

された丸目ライトが何とも味なんですよ。じゃぁきれいにレストアして中華125cc

エンジンを積む事にしようかなどと悩んでいたんですが、どんな色にしようかと

ぼーっと車体を見つつ思案しているとあることに気がつきました。「こいつ全体が

結構な錆びに覆われているけれど、全て表面だけで全く腐ってない」と。

日本でこういう錆は珍しい!大抵は腐って来るモノですが錆が全て表面的なもの

だけで、まるで「カリフォルニアとかの乾燥した所で錆びた車」みたい。

これはこれでめっちゃかっこいいんじゃなかろうかと。

まさに「室内で錆びた」というか、「濡れずに錆びた」感じ。しかも「錆びる」と言うことは

「鉄で出来ている」という事に他ならないですよね。近年のプラスチッキーなバイク達

に向けて「お前プラスチックなの?ふーん。俺は鉄!!」と言う訳の分からない、と

いうか好きな人にしか通じない下らないマウントも取れる(取れるのか?)訳です。

さて、方向性が決まりました。「基本ノーマル」で、「機関フル整備+パフォーマンス

アップ」です。まず悩んだのはエンジンです。現状はホンダ製50ccの横型エンジンが

乗ってます。不動だけど。こいつはすこし整備すればきっとかかると確信してますが

いかんせん50ccの横型は乗っててつらくなるほどたるい。なので腰下を利用して

キタコか武川のボアアップキットで75ccか88ccにした上でハイカムなどで武装する

か、まるっきり中華エンジンに載せ替えてしまうか。

元々中華エンジン載せ替えをやりたかったわけですからここは躊躇無く中華エンジン

にすればよいのですが、その選択を躊躇させる問題が二つありました。ひとつめは

単純に信頼性の問題。中国も中国人も中国製品も僕は信じられません。中国人に

関しては少数ではあるモノの信じられる人はいますが、彼らを信頼するに要した時間

は数十年になるわけですから、ぱっとでの中華モノを信じられるわけがありません。

もう一つは値段です。110ccや125ccの中華エンジンは「1万円半ば」などと言う

記述が多くあり、その程度で買えるものだと思っていたのですがコロナの影響か

はたまたそれ以外の要素か、アマゾンで見た最安値が3万2千円。ヤフオクなどは

もっと高い。3万2千円でも安いわけですが、それでも噂の倍近く払うのはためらい

ますよね。で、ちょっと躊躇していたらあっという間にそれが無くなって、残るは4万を

越えるモノばかり。しかもみるみる在庫が無くなっていく。怖くなって思わず4万2千円

の110cc遠心クラッチのキットを購入しました。一応キャブ付きなんですが、これは

使わないだろうなと思いつつ、たまにエンジンキットをアマゾンなりヤフオクで検索

すると、どういう訳かマニュアルクラッチ仕様は沢山出品されている上値段も3万円

程に落ち着いていますが(本体だけでキャブなしね)、遠心クラッチ仕様は殆ど出品

されていません。あわてて買うという僕の選択が正しかったのか間違いだったのかは

まだ分かりませんが、使えればいいと割り切りましょう。

所で、僕のノーマルエンジンですがこれ、貴重品です。ヤフオクなどだと中古不動でも

3万円に届くくらいの値段で落札されています。

と言うわけで、まずは可動部全てをチェックし、グリスアップや交換を要するベアリング

やパッキン類は全て交換。中華は乗せる前にネットでチェックし「弱点」と言われて

居る箇所を日本製の部品に交換(ありがたいことにカブの純正品使えるようです)。

ブレーキやその他諸々をしっかり整備して「ラットカブ」を目指します。でですね、

ノーマルエンジンですが、キタコのボアアップキット(75cc)を購入し、しっかりと整備

して「いつでも使える状態に」しておきたいと思います。何しろ中華エンジンはやっぱ

信用ならないですからね・・・・。