ご存知だと思いますが、ぼく、ハーレー乗りです。

中学生の時に見た刑事物のドラマで館ひろしさんが乗っていたローライダーが

あまりにかっこよくて「将来絶対にハーレーに乗ろう」と決めたわけです。

当時はハーレーに乗る以前に大型バイクの免許の取得が教習所ではなく一発試験

のみだったためやたらと難しく、更にハーレーなど高価なバイクは町中で見ることなど

ほとんど無かったんです。

それが今や、高速道路のインター、道の駅の駐車場、もっと言えば道を走っている

大型バイクの殆どがハーレーなんじゃないかと思うほどのフィーバーぶりですよ。

これは全てハーレーとアメリカが仕組んだことです。

・・・・あんた何言ってんだ!と言うそこの方、本当ですよ。

日本は大型免許の取得が厳しく、ハーレーが殆ど売れなかった。それに業を煮やした

ハーレーがアメリカ政府を動かして日本に働きかけ、自動二輪の大型免許を教習所で

取れるようにしたわけです。

・・・・・・いや、本当ですって!・・・・・多分ですけど。

まぁ、ハーレーの思惑が当たり日本でハーレーバカ売れ。

大型バイクの免許が取りやすくなったのは(上の話が本当なら)間違いなくハーレー

ダビッドソン社の功績でしょう。

それまで大型自動二輪は本当に少なかった。何しろ日本は自主規制で750ccまでしか

作れなかった(と言うか国内向けには750ccまでしか販売できなかった)ので、それを

超える排気量のバイクはみんな逆輸入。

Z1とかニンジャ900、FJ1100なんて高速のパーキングで駐まっていると回りに

人だかりが出来て、「スゲー900だ!!」とか言う声が聞こえてきたぐらいですから。

当時最大排気量のバイクはブラジル製のアマゾン。これはフォルクスワーゲンの空冷

水平対向1600ccエンジンを積んだモデルで、「化け物」と評されていましたが、

今ではそのぐらいの排気量普通にありますからね。それどころか2000ccを越える

勢いですよ。これはどうしたモンでしょうかね。

こうやってどんどん大きな排気量のバイクが出てくるようになった要因は、間違いなく

免許が取得しやすくなって、裾野が広がったと言うことに他ならないでしょう。

となると、いろいろなバイクを選ぶ選択肢が増えるようになったのも、ハーレーの功績

と言っていいのかも知れません。

そこでハーレー。当時は免許取得の難しさに加え、「高価」というイメージがあった

ハーレー。今でも高いは高いんですが、「ハーレー=なかなか乗れない」というのは

高いと言うことよりも「免許が取れない」と言うことの方が大きかったのではないかと

思います。

大型免許を取ろうという人は、まず間違いなく「乗りたいバイクが決まっている」もの

でした。Z1に乗りたいから、ニンジャ900に乗りたいからBMWに乗りたいから、

そしてハーレーに乗りたいから免許を取る。

乗りたいバイクはないけれど、とりあえず免許を取っておこう等という奇特且つ暇な人

というのはいなかったでしょう。

それが今や「とりあえず免許を取ってみよう」という人が出てきた。

とりあえず免許は取ったけど何に乗ろう?そうだ、大型と言えばハーレーかな?

そういう考えでハーレーに乗る人が増えたように思います。

ってか、そんな人しかいねーんじゃねーの?(いや、いきなり言葉乱れて済みません)

さて、ここからハーレーの「罪」の下りです。

そう、昔のハーレー乗りというのはものすごいポリシーを持ってハーレーに乗っていた

んだと思います。だけどハーレー好きの前に「バイク好き」なんですね。

だから高速道路などのインターで、或いはキャンプ場で、ハーレー乗りと他のバイク乗り

が居合わせたとしてもすぐにうち解け、バイク談義になりましたよ。

バイクに乗っている人は誰しもまずは「バイク好き」だった。それが確固たるポリシーを

もってハーレーに乗っている人でさえ、たまたま自分が好きなバイク、乗っているバイク

がハーレーってだけだと言うことを知っていたんですね。

だけど今ハーレーに乗る人の中には「ハーレー乗り」というカテゴリーを作ってしまって

いる人がいるように思うんです。

ハーレーだけで固まって、他のバイクには目もくれない。

別にそれはそれでいいんですが、だからといってハーレーに乗っている人が「エライ」

訳じゃない。確かに昔からハーレーに乗っている人というのは「どうだ、ハーレーだぞ」

と思っていたかも知れない。だけどそれを態度で表すことはなかったんじゃないかと

おもいます。

だけど今のハーレー乗りには「あぁ、あんたハーレーじゃないの」という態度の人が

いるんですよ。それに、人のハーレーにケチをつける。

例えば僕は81年式のワイドグライドと言うモデルを、結構改造して乗ってます。

それを見て「あぁ、もったいない。往年の名車なのにそんないじり方しちゃダメですよ」

とか言ってくる人がいる。

確かに一理ある。だけど「かっこいいですね」の後に「でもワイドグライドって価値が

出てきているからノーマルも結構いいですよね」とかじゃなく、「それはダメだ」と

全否定から始まる。ほっといてくださいってんですよ。

これが罪のうちの一つです。つまり「バイク乗り」というカテゴリーに「ハーレー乗り」

と言うカテゴリーを作り分けてしまった。

僕ハッキリ書いてしまいますが、ハーレーは大好きですが、ハーレー乗りの人って

どうも好きになれない人が多いです(自分でハーレー乗っていて言うものなんですが)

それと、さっき書いたように「とにかくハーレー」とハーレーしか目もくれない人が増えた

事によって、ハーレーの価値が著しく下がってしまった様に思います。

珍しいのがいいとは言いませんが、全然ありがたくなくなっちゃいましたよね。

というか、昔はハーレーを買う人というのは「一生これに乗る」ぐらいの気合いと決意を

もって買っていたように思うのですが、今の人はとりあえず買う。そしてそういう

買い方が出来るようになってしまった。

実際にそこら中でハーレーの中古を目にしますし、値段もものすごく下がってる。

それに中古で売られているハーレーを見ると「愛情を持って所有されていた」感じが

しないモノが多いんですよ。これはダメですよ。

ハーレーは気軽に買って気軽に売って欲しくないバイクです。僕にとって。

それこそ大きなお世話なんでしょうが、やはりハーレー自信がハーレーの価値を

下げてしまったというのも、大きな罪の一つですかね。

まぁ、タマが増えると部品も入手しやすくなりますからいいこともありますが、ねぇ・・・。

あと、バイク雑誌。このところドゥかティーやBMW、トライアンフとか、或いは国産車

の雑誌も増えてきましたが、一時期はハーレー一色だったじゃないですか。

当初は「おぉ、いい雑誌が増えたな」と喜んでいましたが、これだけハーレーばっかりに

なっちゃうとこれまたちょっと・・・・・。

というわけで、大型二輪免許を取りやすくしてくれ、且つハーレーを身近な物にしてくれ

たというのが功績、ハーレーの価値を落としバイク乗りに区分けを作ってしまったと

言うのが罪って事でいかがでしょうか。

蛇足ですが、昔は大型二輪免許ってなかなか取れなかったので、乗る人がいないから

中古の大型バイクってハーレー以外ものすごく安かったんです。それが最近どんどん

値段が高騰してますね。

可哀想なのが400ccですよ。一番箸にも棒にもかからない排気量になっちゃった

様な気がします。実は一番実用的でいい排気量なのに。

そりゃそうですよね。大型免許持っていれば大型に乗りたい。何も400を選ぶ理由は

一つもありません。そこ行くと250は車検がないと言うことで、メリットがあるから需要も

ある。

そこで一つ提案なんですがね、国交省さん。いっそのこと思い切って400まで車検を

無くして見ちゃぁどうでしょうか?これ、ものすごくいいアイディアだと思うんですが

皆さんはどう思います?





ハーレーダビッドソンの功績と罪