目の話!!!

今回は僕のHPとは思えないくらいとても役に立つ話だと思いますよ。

だから思い切ってエクスクラメーションマークを三つも付けてしまいました。

と言うわけで目に関するお話しです。

僕は先天的に目が悪く、ずっと眼鏡に頼って暮らしているわけですが、眼鏡を作る

時はとにかく「よく見える」事を重視して作ってもらっておりました。

しかしこのところ、若いときには全くなかった肩こりがひどくなり、どうやらその原因の

一つに「眼精疲労」があるのではないかと疑い、目の検査して貰いました。

その先生のおっしゃることが何ともわかりやすく、しかも腑に落ちたのでこれは是非

皆さんにも紹介した方がいいと思って書くことにしました。

さて、その先生は僕に向かっていきなり「目なんて見えなくていいんだよ」と言い放ち

ました。「なんて事を!」と思ったのですが、その話には裏があります。

目というのは「脳の一部」であり「脳の出先機関」であると言うこと。

網膜に写った物を脳が処理するわけですが、その網膜に像を投影する「眼球」は

例えば体の大きい人や小さい人がいるように「個体差」があって、それにより見え方

が変わるのは「当たり前のこと」だというのです。

白内障や緑内障というのは目が抱える問題ですが、その「個体差」は全く問題では

ないという事のようです。

その個体差によって生じる現象としてあげられるのが「近視」「遠視」「乱視」「斜曲」

です。

それではそれぞれについて説明していきましょう。

・・・とその前に、ものすごくざっと目の仕組みについて説明しますと、眼球の中には

水晶体と網膜、があり、対象物を見るとその像が水晶体を通り網膜に映し出される

仕組みになっているようです。

そして何かを見るときと言うのは少しでも正確な情報を得ようと、眼球に関する

いろんな筋肉やら何やらが一生懸命仕事をしているわけですね。(違ってたらゴメン)

ちなみに「近視」「遠視」「乱視」は眼球単体の問題ですが、「斜曲」については

両眼視(二つの目で物を見る)したときに起こる物なので、分けて考えます。

さて、では眼球単体の問題から。まず下の図を見てください。

フリーハンドで図が汚すぎるとか言うクレームは無慈悲にも却下です!!

ではどうぞ。





「A」が視力がいい人の目、「B」が近視「C」が遠視、そして「D]が乱視の人の目です。

かなりわかりにくいと思いますが、丸いのが眼球。その中の左側中央に有る小さな

楕円形の物が水晶体。赤い線が目が見ている像のピントで、黄色い部分が網膜だと

思ってください。

ちなみに「C」の遠視の図は水晶体の前の赤い線が一本しか有りませんがこれは

私が書き忘れただけで、他のと同じように三本あると思って下さい。

まずは「A」視力がいい人の目。目で見た物のピントが網膜の所でピッタリと合って

いるのが分かります。水晶体から入った像を網膜に投影するわけですから、このピント

があっているのであればよく見えるわけです。


続いて「B」の近視。網膜よりも前でピントが合ってしまっています。

これだと像はぼやけてしまいますよね。


「C」の遠視は近視の逆で、網膜よりも奥にピントが来てしまっています。こちらも

像はぼやけるのですが、近視とちょっと違いがあります。

その件は後述いたしますのでしばしお待ちを。


「D」の乱視。こちらはピントが複数有ります。これだと例え網膜にピントが合っていたと

しても、物が2重に見えてしまったりすると言うわけです。

これらがそれぞれ眼球単体によって起こる問題なのですが、先に「近視と遠視は違う」

と書きました。一体何が違うのかというと、「遠視は体が修正しようとする」けれども

「近視の場合体は何も反応しない」のです。

分かりにくいですか・・・・・?そうですか。

では次の図を見てください。





「い」が遠視の人の目(先の図の「C」と同じ)です。網膜よりも後ろでピントがあって

しまっています。

次に「ろ」の図を見てください。こちらは網膜にピントが合っています。

では「い」と「ろ」の図では一体何が違うのでしょう。緑色の部分、水晶体に着目して

下さい。「い」の図では水晶体が細いのに対して「ろ」の図では水晶体が太くなって

いるのが分かると思います。

つまり網膜より後ろに来てしまっているピントを水晶体がふくれることにより、その

レンズ機能でピントを合わせているのです。

じゃぁ近視の人はどうなのかというと、実は水晶体はふくれることは出来るけれども

細くなる事は出来ないらしいんですね。つまり近視の場合体はなすすべ無しなんです。

だったら遠視の方がいいじゃないか!とお思いのあなた。早合点しないでください。

実は近視の場合は体として「なすすべがない」故に、脳もなんの反応も示しません。

しかし遠視の場合は水晶体をふくらませることによってピントが合わせられるため、

脳は「ピントを合わせろ」という指令を出し続ける訳です。

つまり遠視の場合は常に水晶体が仕事をしている訳ですから「疲れる」のも当然。

こういった物が眼精疲労の一つの原因になるわけです。

乱視の場合もしかりですね。

ただ人間は「眼鏡」という道具を使います。これによってピントの調節が出来、眼鏡を

すれば目が悪い人でもよく見える様になるわけですが、遠視の場合はだからといって

水晶体が休めるわけではないらしく、常に仕事をしているらしいんです。

なので、遠視の人が遠くまでよく見える眼鏡を作ってしまうと常に目に仕事をさせる

事になるとか。

そこで遠視の人は「正しい近視」になるように眼鏡を作ると眼精疲労が軽減出来る

かも知れないらしいんですよ。ね、耳寄り情報でしょ!!(自画自賛)

もちろん「別に疲れたって一晩寝れば大丈夫」という人はよく見える眼鏡を作ると

いいと思うんですが、目が悪い人ってそこから来る体調不良って結構厳しいって

いうのを身をもって知っていると思うんですよ。それ故の・・・・。

そうはいっても遠視の人が「じゃ、遠くはあきらめて近くだけ見えればいいや」って

訳にもいきません。じゃ、どうするかですが、「眼鏡を2種類作る」です。

最初は眉唾だと思っていたのですが、実際に試してみると本当に肩こりや頭痛が

減りました。

冒頭に書いた「目なんか見えなくたっていい」というのは、実は「見えるようにする

のは簡単なのだから、体に負担の無い眼の矯正を考えなさい」と言うことなのです。

僕も最初は近くが見える眼鏡をしているとき遠くが見えないことにものすごい違和感が

あり、手元を見るとき以外「遠くを見る用の眼鏡」をかけていたんですが、だんだんと

それが面倒になり「近くを見る用眼鏡」で過ごすうち、段々と遠くがハッキリ見えない

事になれてしまい、車を運転するときなど以外「遠くを見る用眼鏡」は使わなくなって

いきました。思い起こしてみると、肩こりが軽減されたのはその頃からのように思い

ます。

何かをハッキリ見たいのであればそれようの眼鏡を作り、ここぞと言うときにそれを

かければいいわけで、普段は「如何に目を疲れさせないか」と言うよりも「無駄な動き

をさせないか」が大事なのではないかと思います。

・・・・・とここで話を絞めてしまいそうになりましたが、斜曲の話がありましたね。

斜曲とは両眼視したときの問題と書きましたが、二つの目で一つの対象物をみようと

したときと言うのは自然とその対象物に目が向くはずですね。

そこで下の図を見てください。





これはある人が前にいる人を見ようとしているときの図です。

上の目(右目としましょうか)は自然と対象物を見ているのですが、左目はそちらを

見ていません。見ていないというか焦点方向(っていうの?)があっていないというか。

この場合脳は前方の人に焦点を合わせるべく指令を出して目の回りの筋肉を使い

内側に引っ張り焦点を合わせます(緑色が筋肉のつもり)。

これもやはり疲れますよね。ちなみにこういう状態を解消するためには眼鏡を作る

時に「プリズム」というのを入れて貰うらしいのです。

そうすることによって筋肉で眼球を引っ張らなくてもいいので疲れが軽減されると

言うことなのでしょう。

蛇足ではありますが、この斜曲がひどい場合、脳はその修正をあきらめてしまう

そうです。たまに斜視の方(瞳があらぬ方を向いている人。ロンパリって言う人も

いますよね)がこれで、筋肉を使って焦点を修正することをあきらめてしまっているため

瞳があらぬ方向を向いてしまうそうです。

さて、人間には眼鏡があるので多少目が悪くてもその修正が可能です。

考え方はいろいろだと思うのですが、目が悪いと「とにかくよく見える眼鏡が欲しい」

と思いがちです。しかしそれが体に余計な負担をかけ、その影響があちこちに及ぶ

事を考えると、やはり「よく見える」事よりも「体に負担をかけない」事の方が大事な

様に僕は思うのです。

だって、本当によく見たいのであればその時にそれ用の眼鏡をかければよいわけです

から。なので僕は普段使いで「正しい近視状態」の眼鏡を選択しています。

この話が少しでも目の不調によってご苦労されている方のためになればと願って

おります。