無能な人にありがちな・・・。

ネットで「まいどなニュースというのを見ていたら、先輩から「出勤時刻の30分前には

出勤するものよ」と言われた若手が「分かりました。じゃぁ退勤時間の30分前に帰り

ますね!」と言っていて「いいぞ、もっとやれ」と思った。と言う記事を見ました。

きっと「じゃぁ30分前に帰ります」と言った若手も、それを見て「いいぞもっとやれ」と

思ったという人も「間違いなく仕事ガガできない人だろうな」と思いました。

記事では「出勤時刻○○前に出社しろ、みたいなのは良くあることだが、労基法上は

NGです」と始まり、「強制すれば賃金が発生しますからね」みたいなコメントがいくつか

紹介されていました。

これを読んだとき思いだしたことがあります。かなり前のことですが、同僚がいつも出勤

時間ぎりぎりに出社する新人に「お前、もう少し早く来て会社の廻りの掃除をしたり、

その日やることの整理をしたりしろよ(ちなみにこの同僚は朝早く来て会社の廻りの掃除

等をやっています)」と言ったところ、その新人が「それは指示ですか?僕は掃除する

契約にはなっていないんですけど」と言いはなったんですよ。同僚は頭に来たようで

「お前なぁ・・・」と始まったので、すぐさま僕がそれを制して「君さ、今”契約”って言った

よね。俺達にしても契約にないことをさせるわけにはいかないし今後のこともあるから

どういう契約で入社したのか教えて」と言ったんです。彼の答えは「掃除をするというの

は聞いていません」でした。僕は「そうじゃなくて”掃除はしなくていい”と言う契約で

入社したの?契約書か何かにその記載ってあった?」と続けましたが、その後は「掃除

するなんて聞いてない」の一点張りでした。

僕は思うのですが「契約」を口にする以上その内容は契約書に明記されてなければ

いけないと思います。・・・が、それ以前に仕事をする上で契約を結ぶのであれば出す

べき「成果」が明確になってなければいけないと思います。しかしながら新入社員を採用

するに当たって(日本の場合)出すべき成果が明確になっていることはほぼありません。

ちなみに掃除するように言われて「契約に・・・」と言った彼は「全く仕事が出来ません」。

営業職において「受注する」というのは最も重要なことと言っても過言ではありませんが、

彼の口から出てくるのは「客が悪い」「商品が悪い」「社会情勢が悪い」という出来ない

言い訳ばっかりであり、「○○が悪い、だからどうしよう」という改善の話は一切でてきま

せん。他の先輩から任された仕事もろくに終わらせることが出来ずそれもまた言い訳。

恐ろしいのは例えば納期が間に合わなくなりそうなとき、平気で「うちの○○部門がまだ

書類出してこないんですよ」とか言っちゃうんですよ。「契約」というのであれば、入社時

に取り交わされるものと違いお客様との契約は出すべき成果が明確になっています。

当然「納期」もその一つでありそれを守るのが仕事な訳です。

そんなことも理解できないお馬鹿さんが、先輩に言われた「アドバイス」すら受け入れず

有りもしない契約を口にし戯れ言をのたまうのみならず、すべき事も全く出来ない。

こういう人に共通しているのは自分が出した成果ではなく「拘束時間」で仕事をしている

と勘違いしていると言う事です。そしてその拘束時間にも「成果を出すための行動」と

言うのは殆どしておらず、メールを見たり何か調べている振りをしながらネットを見て

いたり。例えば入社時に「毎月の売上げ500万円、うち粗利25%を確保」などと言うことが

明記されていた場合それを達成するために必死になるのが当然ですから「掃除なんて

やってる時間はない」と言うことになるでしょう。何しろ月売上げ500万、粗利25%を確保

出来なければ翌月「辞めてください」と言われても「はい分かりました」どころか「約束を

果たせず申し訳ありません」と言って辞めなければいけないわけですから。

ついでに言うならば労働基準法は法律ですから当然「守らなければいけない」。

これを厳密に守っていこうとするならば、自ずと働ける時間は決まってきます。

遠い昔僕がいた会社は、定時(残業可能な時間を含む)を過ぎると労働組合の人がビル

の各フロアを見回って帰宅を促していました。新人の僕は見積もり一つやるにしても時間

がかかるから定時でなんて帰ってられません。そのため定時で一度タイムカードを通し

組合の人が来ると電気を消して机の下に身を隠し、その人が去ると再び仕事にもどると

言うようなことをやってました。「明日までに見積もりをお出しします」とお客様と約束した

以上、徹夜しようが何しようが「やらなければいけない」訳です。

残業したらした分の賃金を支払わなければならない。労基法ではそう決まっています。

入社当時はそう言うルールがありがたいと感じましたが、例えば僕が2日かかって終わら

せる見積もりを1日で終わらせる先輩がいた場合、僕がその見積もりをやると倍のコスト

がかかるわけです。仕事を考えた場合どちらが会社にとって有益且つ必要な人材かを

考えた場合結果は火を見るより明らか。先輩と自分の給料の差を考えると、もし最初に

その残業に賃金を支払ってもらえているのなら、それは会社が自分に「投資」してくれて

いることに他なりません。投資した分が回収できなければその投資は続かない。つまり

先輩の勤続年数を経過した時点で僕も1日でその見積もりが出来るようになってなければ

いけないわけです。しかし得手不得手の問題でそうできない場合、その負担を会社に

強いるよりも「自分で吸収する」選択肢があってもいいと思うんです。と言うかそうでなけ

ればならないんじゃないかと。

冒頭にも書きましたが、契約だとか権利だとか言う言葉を振りかざす人というのはほぼ

例外なく自分が果たすべき「義務」については言及しません。若しくは全く何の役にも

経っていないのに「自分は優秀だ」と勘違いしている人ばかり。

さっき「労働組合の人が見回りに来る」と書きましたが、このとき僕も労働組合に入って

いたわけですが、このときに感じたのは「この人達は一体何のために存在しているのだ

ろう」というかむしろもっとストレートに「邪魔なだけだ」という感情でした。

でも彼らは彼らで自分たちの仕事は必要で崇高な物だと本気で思っているのでしょう。

一円も利益に貢献できていないのに。詰まるところルールだとか決まりだとか言いますが、

それを守らなければいけないのは当然だと思いつつも「やらなければいけないこと」をやり

自分の評価を上げるためにその苦労を自分で吸収するというのは「こちらに選択肢が

あっていいこと」なんだと思います。少し趣旨がそれてきてしまいましたが、最後にまとめ

として言いたいのは契約だとか権利だという台詞をのたまう人というのは、その台詞を吐く

前に「自分がどれだけの義務を全うしているか」を良く振り返って欲しいと思います。