空き缶ストーブ作成のコツ

空き缶ストーブ作りましたって所で「作り方はいろんな所に出てるから割愛!」

等と書いちゃいましたが、沢山作ってせっかくコツも分かってきたことだし、是非

皆さんに公開しようかなと。一番の理由はこう言うのってみんな凄く綺麗に作る

でしょ。あまりなれてな人がやると簡単そうに見えるのも結構大変なんですよ。

なので「不器用な僕が作る空き缶ストーブ作成のコツ!」ってかんじです。

と言うわけで空き缶ストーブの作り方です。あくまで「オレ流」ね。

(用意する物)

ぱっと写真を見ていただきましょう。





・カッティングボード(無くてもOK、要らない段ボールなどで代用可能)

・定規(どんな物でもいいけれど30センチ以上が吉)

・名刺の入っていた空き箱(もちろん別の物で代用可能)

・ホッチキス(最近ではステプラーと言うらしいけどとにかくホッチキスね)

・マジック(マッキーね!!無くてもいいけど)

・カッター(出来れば太いはの奴がいいけど細いのでも可)

・マスキングテープ(無くてもOK、でもあった方が楽)

・円切りカッター、若しくはドリルにホールソー。最悪無くてもOK

・目打ち、キリの類(安いドライバーセットのポンチが使いやすい

・ラジオペンチ(これは必要なんですよ。気合いと根性が有れば無くても可)

あとここには写ってないけれどハサミもあると結構便利です。僕は全部

カッターで済ませますが、内部の仕切りを作るときや或いは缶を切り離す

時に少しバリが出たりしたときに修正するのに結構使えます。

これもここには写ってないですが、当然空き缶も要りますよ!

ツーリングに行くのにツーリンググッズだけそろえてバイクがない!

なんてバカでしょ!!何たって「空き缶ストーブ」ですからね!

ざっとこんな感じでしょうか。

ぱっと見めんどくさそうですがよく見ていただくとわざわざ買わなくちゃ

いけなそうな物って円切カッターぐらいでしょ?

これ100円ショップで売っているので買いましょう。なぜかって?

何しろ材料がただなので一つ作ったら必ずもう一つ作りたくなります。

で、満足できる物が出来たら捨てちゃったとしても100円の投資です。

きっと元は取れているはずです。


(作り方)

もの凄くざっくり言うと空き缶ストーブというのは空き缶の底の部分二つを

合わせ、その中に本体部分を切って作った仕切り板を入れて作ります。

文章で書くと・・・・・

・空き缶をぶった切る

            ↓

・切り取った内の一つの底の部分に穴を開ける

            ↓

・缶の残った部分から内側の仕切り板の部分を切り出す

            ↓

・仕切り板を内径に合わせて筒状にする

            ↓

・中に仕切り板を入れて穴があいている方と開いていない方両方のそこの部分

 を合体させる

・・・・・・・・・これだけなんですよ。シンプルでしょ。

でもね、この工程それぞれに奥の深い所作が有るんですよ。

まず缶を切るから見ていきましょう。

僕のやり方はカッターからカッターの刃を取りだし、二つ重ねた名刺入れの上に

それを固定し、その刃に空き缶の外周をぐりぐりと当てていく方法です。






右手は名刺入れにおいたカッターナイフの刃をしっかりと押さえ、

左手は垂直に立てた缶をがたがたしないように下に押さえ付けるようにしな

がらカッターの刃に押し当て外周を傷つけていきます。

これ、焦ってはいけません。カッターの刃に缶の胴体を当てつつ缶をクリクリ

クリクリ回していくわけです。切れているのかどうか分からずイライラして、

えーいとばかりにカッターの刃に胴体を当てて回転させることなく「ぶすっ」っと

刃を突き立てたり、缶を横にしてカッターで切ったりしてはいけません。

根気よくちょっとずつくるくる回して傷を付けていくのです。

缶を下に押しつけながらぐりぐり回すので、くれぐれも奥様などが大切にしてる

テーブルなどではやらないように。どこでやるにしても下にカッティングボードを

しいておくと良いでしょう。

さて、根気よくくるくる回しているとある時「スッ」と缶が切れ始めます。

一カ所切れたらそれをとっかかりにして缶をつぶすようにしてあげるとドンドン

切れていきます。このときもし切れない所があったらムリしないで再度

カッターの刃でこすってください。ムリしてちぎろうとすると変な切れ方をして

台無しになってしまうことがありますので要注意です。

※ワンポイントアドバイス

・カッターの刃はカッターから取り外して使用すること

・傷は極力一直線に付けていく。(カッターの刃が当たる高さを変えない)

・とにかく、とにかく根気よく。力で切るのではなく根気で切る。

・・・さて、缶が切れましたね。

これを二つ作る訳なんですが、一つは缶底に穴を開けなければなりません。

切り離した後にあけてもいいんですが、切り離す前の方が持ちやすいようで

あれば、切り離す前でも構いません。

さて、缶が切り離せたら(或いは切り離す前でもOK)缶の底に穴を開けます。

これはいろいろな方法があり、僕は今まで

・電動ドリルとホールソーのセット

・目打ちとニッパーのセット

・カッターと気合いのセット

・円切カッター

の4種類を試しましたが、もうね、円切カッターがなんと言っても一番です。

これ100円で買えるのでもしアルコールストーブを作ってみたいなら

つべこべ言わず買いましょう。

・・・・・はい、皆さん円切カッターが手元にありますね。ではおもむろに

缶の底の中心にポチッと目打ちで穴を開けましょう。んで、その穴に

円切カッターの針を差し込みコンパスの要領で缶の底に傷を付けて

行きましょう。このときのコツも缶を切り離すときと同じです。

※ 力は入れず根気で勝負! ※ ですからね。

テレビでも見ながらクリクリクリクリしていきましょう。

根気よく削っていくとこちらも突然「パコッ」って感じで穴があきます。





今回は缶を切り離す前に底部の穴を開けている様ですね。

それはいいとして、当然この後しっかりと切り離してくださいね。

缶の底に穴があいたら、お次は圧力燃焼用の穴を開けていきます。

僕が初めて作ったときは、一つ穴を開けたら定規で1センチ測りそこに

マジックでマークし、今度はそのマークを基準に1センチ計ってそこに

マークするというめんどくさいやり方をしていましたが、1センチ間隔で

マークしたマスキングテープを貼っちゃうのがお勧めです。

マスキングテープがなければガムテープでもビニールテープでもOK

僕が使っているカッティングボードは1センチのマス目がついているので

それにマスキングテープを貼ったらマス目に添ってマジックでマーキング

していくだけです。





こいつをはがして缶の周りにぐるっと巻き付ければOK。

後はそのマークに従って穴を開けていけばいいだけです。





ワンポイントアドバイス

・大きい方の穴を開けるときも力じゃなく根気で!

・圧力燃焼用穴は極力外側の縁に近いところにあける

・圧力燃焼用の穴は1ミリ以下(小さい穴の方がいい)

さて、ストーブの外側ができあがったら次は内部の仕切り板

作ります。

これは缶の胴体部分を適当に切って作るわけですが、先ほど

切り離した缶よりも1センチ弱長く(高く)する必要があります。





・・・こんな感じです。なので定規で使用する缶の高さを測り、それより

1センチ程度長く切り出しましょう。

切り方は開いた缶の胴体部分をカッティングボードに載せてカッターで

ぶった切るだけです。





カッティングボードがなければ段ボールでもOKですよと書きましたが、

こんな時もカッティングボードだと目盛りがついているのでやりやすいです。

カッティングボードも100円ショップで売ってるかな?

もし売っていたら買っちゃいましょう。家庭内カースト最下位の僕でも

買えるんです。きっとあなたなら問題なく買うことが出来るでしょう。


ワンポイントアドバイス

・内部の仕切り板は絶対に缶よりも高く(長く)してください

・1センチ程度長く。本来1センチではちょっと長すぎですが、短いよりいい

内部の仕切り板が切り出せたらこれを円筒状にする訳ですが、まずは

下の写真を見てください。





写真のように缶の内部の出っ張りにピッタリはまる様に調整し、ホッチキスで

しっかりととめてください。僕は4カ所固定します。

こうして円筒形の内部仕切り板ができあがったら下側に切り込みを入れます。





こんな感じですね。

これは中央から入れた燃料(アルコール)が仕切り板の外側にちゃんと

流れていくようにするための物です。僕は2カ所に切れ込みを入れます。

ワンポイントアドバイス

・円筒にする大きさはしっかりと缶の底の出っ張りに合わせましょう

・切れ込みの高さは缶の底の出っ張り程度であまり大きくしないように

さて、これで全てのパーツができあがりました。後は組み上げるだけです。

組み上げると行っても仕切り板を中に入れて缶を二つの缶をはめ込ま

無ければなりません。全く同じサイズの物な訳ですから普通に合わせても

入りません。なので穴を開けていない方(底側)の缶を少し絞ります。

絞り方はラジオペンチでちょっとずつつまんでいくだけ。





こうすることによって少しだけ内側に絞れ、缶どうしをはめやすく

なります。


しっかり絞れたらいよいよ合体です!えいっ!





かぶせたらしっかりと押し込んでできあがり!





なんて簡単なんでしょう!!

では点火してみましょう。燃料用アルコールを少々注いで・・・と。





点きました!!しっかり圧力燃焼してにょろにょろみたいなカワイイ炎も

確認できますね。

ちなみに「圧力燃焼」って言葉は有りません。僕が勝手に作りました。

このアルコールストーブの原理はアルコールに火を付けると本体が

加熱され内部仕切り板の外側に流れたアルコールが加熱される事により

加圧され穴から僕が加圧燃焼様穴と称しているところから吹き出すことに

よって火力が上がるという物ですが「非加圧式」と呼ばれる方式です。

「非加圧式」なのに「加圧燃焼とはこれいかに」なので僕の造語。

他に内部の仕切り板のない「加圧式」という方式もあるのでこれも後日

試して御報告したいと思います。

最後にこのアルコールストーブ。もの凄くいいと思います。

何がいいか。軽いしお金かからないし何より「もの凄く実用的」です。

実を言うと僕も最初は本気で使おうとか、使えると思って作ったわけでは

有りません。何しろちゃちそうだし空き缶なんてちょっと力を入れたらすぐに

つぶれるじゃないですか。こんなのバックに入れておいたらベコベコになって

使い物にならないんじゃないの?と思っていましたが、とんでもない。

本体部分が被さることによって二重になっているせいかそう簡単には

つぶれません。それに火力。お湯を沸かすなんて朝飯前ですし、炊飯や

ソーセージ等を炒めるなんてのも問題なし。

キャンプやツーリングなどで活躍するのはもちろん。これなら防災グッズ

にアルコールと一緒に放り込んでおくのもアリです。何しろいくらでも

作れますからね。

ちなみに僕は100円ショップで鋳物のスキレットとゴトク(これは100円)を

購入。友人が来たときそれぞれの前にならべソーセージや肉などをこれで

勝手に焼いて貰って酒盛りしています。言うならば旅館などで固形燃料で

やってくれるあれですね。

まぁとにかくこれはお勧め。もし要らなかったら空き缶と一緒に捨てちゃえば

いいんです。トランギアのアルコールストーブを買ってご覧なさい。

「これやっぱり俺には向いてないな」と思っても捨てられないでしょ?

これは嫌だったら捨てちゃえばいいですよ。だからとにかく一度

チャレンジしてみて欲しいです。で、これを読んでチャレンジするような人は

絶対にはまります。まずは「もうちょっと綺麗に作りたいな」とか「もう少し

カッコイイ缶はないかな」から始まって、「圧力燃焼用の穴の並びや大きさを

変えたらどうなるんだろう」とかなって次から次へと作るようになっちゃいう

事請け合い。何しろ元手がただですからいくらでも作れちゃう。

作った物は使ってよし、誰かにあげてよし、非常用としてストックしてよし、

或いは捨ててよしです。ね、やらない手はないでしょ?