僕は結構長いことクラウンを乗り継いでいます。もうかれこれ30年ぐらいは
クラウンに乗っています。今の愛車はゼロクラウン。既に相当な旧車になって
しまっていますね。初めてハイブリッドになったクラウンが出たとき、乗り換えを
考えました。形が結構カッコイイと思ったからです。試乗に行きいざ乗って
見ると、もう走り出した瞬間から気持ちが萎え、購入をしないことに決めました。
一言で言って「高級エコカー」。ハッキリ言って「車」という感じがしなかった
んです。「あぁ、クラウンはエコカー(ハイブリッド)になって終わったな」と心から
思いました。でもクラウンが好きなので、それまで乗っていた(今でも乗っている)
ゼロクラウンに相当なお金をかけてリフレッシュしました。ハッキリ言って新車が
買えるぐらいお金かけましたよ。おかげで今も安心して乗れるわけです。
という前置きはいいとして、新しいクラウンが発表になりました。「新型クラウン」
という広告を目にしたとき「どこにクラウンがあるんだ?」と思うほど意表を突いた
デザインで、クラウンといわれなければ「カッコイイ」と思ったかも知れませんが
これを「クラウン」といわれると、素直にそれを受け入れることが出来ない風体。
SUVといえば聞こえがいいですが、「一体何がしたいんだ」という気持ちが
わき上がってきましたね。これ、クラウンファンは全員と言っていいほど多くの
人がそう思ったんじゃないかと思います。「これクラウンじゃ無いだろう!」。
新しいクラウンを見た99.9358%の人がそう思ったと思います。
でもこれがクラウンなんです。クラウンこんなになっちゃったんです。
さて、ではこれが許せるか否か。僕の意見を言いましょう。
・・・まぁいいでしょう。
これです。ハイそこのあなた。僕がさぞ罵詈雑言を吐くと思ったでしょう!
外れです。なぜ「まぁいいんじゃないの?」と思ったかを説明します。
「ハイブリッド車なんてなんでもいい。どれも同じ」。以上。
僕はクラウンに初めて乗ったとき、あぁ、この車は本当に日本人による日本人の
為の高級車だなと強く思いました。そして「いつかはクラウン」というあの有名な
キャッチフレーズはまさに「クラウン」を表していたんだなと思いました。
「いつかはクラウン」。まだ若くしてクラウンを買うほどの財力がない人が、「俺も
頑張って稼いでいつかクラウンに乗ってやる!」という気持ちの表れ。或いは
お金に余裕のあるお金持ちが散々外車を乗りまわして、最後にクラウンにたどり
つき「あぁ、こんなに良い車だったんだ」と思い知らされる終着点としての「いつ
か」。とにかくクラウンは日本人にとって最高の車だったと思います。
が。世の中に「ハイブリッド」なる車が生まれ、更に「電気自動車」の時代に突入
しかかっている今日。ハッキリ言ってそれらの車は僕にとってどれも「同じ」もの
でしかありません。フェラーリやランボルギーニのハイブリッドカーですら全く
触手が動きません。もう「どうでもいい」んです。本当にどうでもいい。
どんなにカッコイイ車でもエンジンがショボイと魅力が一気に半減します。
名だたる名車、例えば美しいと言われるトヨタ2000GT。それを完璧に再現
したレプリカのエンジンがスズキキャリィのものだったらどうでしょう?
キャリィがダメだといっているのではありません。要はボディに見合わない。
BMWにi8という素晴らしいデザインの車がありますが、この車1500ccの
ハイブリッドカーです。このi8と例えば32のGTRが並んだとしましょう。
一見i8の方が迫力があるように見えるかも知れませんが、それぞれの発する
オーラは全く違いGTRしか目に入らないでしょう。ましてやエンジンをかけたなら
尚更。外観のデザインももちろん大事なのですが、スーパーカーやスポーツ
カーがスーパーカー、スポーツカーといわれるのはまずエンジンです。もちろん
足回りやボディー剛性云々もあると思いますが、正直言ってハイブリッドカーに
魅力は一切感じませんし、何も期待していません。
だから新しいクラウンがどんな形になろうとも「もう意見する気にもならない」と
言うのが本音です。後は如何に「楽」で「快適」かだけを求めればいいのでは
無いかと思います。