レイトレイト

僕の愛車の1台、フォルクスワーゲンタイプU レイト レイト。

そう聞いてピンと来る人がいるならば、その人はおそらくワーゲン好きか車好きでしょう。

僕はいわゆるワーゲンバスに乗っているのですが、それがタイプUと言うモデルであり

僕の年式はレイト レイトと呼ばれていることを、乗り始めてから知りました。

このワーゲンバスを手に入れる前、僕は同じく空冷水平対向リアエンジンの素晴らしい

スポーツカーに乗ってたんですが、子供が生まれたのを機に思い切って乗り換えた

訳です。と言うより「乗り換えさせられた」んですよ。で、僕のささやか且つ最大の抵抗

として「同じ空冷水平対向リアエンジン」にしてやったって訳です。

当然おわかりだと思いますが、前に乗っていたのはポルシェ911ですよ。

元々ワーゲンは好きなメーカーだったんですが、特にこだわりがあったりと言う事はなく

空冷ワーゲンについての知識は殆どありませんでした。

ただ購入にあたって「いかにもワーゲンバスみたいなの(つまりアーリーと呼ばれる奴)

は自分らしくないなと思い、それを除外し、比較的程度の良い物を選んだらたまたま

レイトレイトになった」という訳なんです。

「そんないい加減な買い方をするな!!」とお怒りの方もいるかも知れませんが、ぼくは

車やバイク全てが好きなので、ピンポイントで「この車に絶対に乗りたい」というのが

あまりないんですね。いや、あるにはあるんですが、とてもかえる値段じゃない。

で、何となくフィーリングなどで気に入った車を購入したら、そこからしっかりとのめり

込んで行くわけです。

というわけで、レイトレイト、細かく書くときりがないので大雑把に説明すると(おい!)、

ワーゲンバスと言われ、多くの人が想像するであろうフロントにV字のラインが入った

金太郎フェイスの奴が「アーリー」と呼ばれるタイプで、1967年まで作られてました。

その後少し全面がとがった形から完全な箱形に変更されるのですが、これがレイトと

呼ばれるタイプになります。67年から79年まで作られるのですが、その間いろいろと

マイナーチェンジが行われます。外見的に大きな所として、フロントのウインカーが

ヘッドライトの下に長っぽそいのがある物がアーリーレイト、ヘッドライトの上に四角い

奴があるのが「レイト レイト」です。他にもテールランプやらエンジンやらにいろいろと

変更があるのですが、その辺書き出すときりがないので止めと来ます。

で、僕のがそのレイト レイト。アーリー、アーリーレイト、レイトレイトの中で最も

価値がないとされるモデルともいえますね。

理由は簡単、本国ドイツで製造が終わっても、ブラジルで2000年ぐらいまでずっと

作られてきたからタマ数が多いんでしょうね。それに旧車っぽくもないしかわいくもない。

でも僕はだからこそ気に入っているともいえますね。

みんなが気になっているモノに興味がないあまのじゃくな僕としては、人気のないモデル

をかわいがる方が性に合ってます。

と言うわけでこの「価値がない」とされるレイトレイトにフルレストアを施して行くんです。

乗ってみて分かるワーゲンバスのすばらしさ。

ばたばた言う空冷のエンジンだったり、思いのほか広い室内だったり、余計なモノ(電子

デバイス)の一切無い面白い乗り味だったりと人それぞれだとは思うのですが、僕は

「とにかく部品がいくらでも手に入る」と言うことにすばらしさを感じています。

メーターの走行距離は30万キロに届く勢いですが、それが確かな走行距離かどうかは

分かりません。ただ、そのメーターが24万キロ当たりの頃、エンジンに致命的なダメージ

を受けました。オリジナル重視のマニアの方なら、必死に純正品を集めて直すでしょう。

僕も一応純正には拘りますが、「オリジナル」には拘りません。と言うわけで、あっさり

エンジン積み替え。職権打刻となり価値は更に下がるのだと思うのですが、新品の

エンジンの安心感には叶いません。僕は「乗るのが好き」ですから、安心して乗れない

車に興味はないんです。

そしてこのエンジン。新品で20万そこそこですよ!というか、新品エンジンがあるのも

これまた凄くないですか!!

以前首都高速道路を走っているとき、飛び石でフロントグラスが割れました。

今のような合わせガラスじゃなくて強化ガラスのため、粉々になったガラスは運転席に

飛び込んできて悲惨でしたが、社外品とはいえ新品のフロントグラス(合わせガラス)は

3万円程度。オルタネーターも同じく3万円程度。日本車の部品の3分の1位じゃないで

しょうかね?これは大いにありがたいことです。

ただ、エアコン(は無いけれど、ベンチレーターというのでしょうか?)の吹き出し口とか

サンバイザーとか、そういうヘンな物が手に入りにくかったりするのですが、ボディーの

パネルまで新品があるので大抵は困りません。そして僕のようにオリジナルに拘ら

無ければ、末永く愛せる車でしょう。

そんなわけで、これからワーゲンの事についてぼちぼち書いてみたいと思います。

乞うご期待(と言うほどでもないかな)