ベスパ150PX

イタリアのベスパというスクーターをご存知でしょうか?

映画ローマの休日で、オードリーヘプバーンがちょこんと後ろに乗っていたあの有名な

スクーターです・・・が、僕のはそんなに貴重な奴じゃないんですよね。

150PXと言うやつなんですが、角目セル無しの非常に(日本では)レアなモデル。

いや、確かシートに150PXって書いてあったと思ったんだけど、もしかしたらPLかなぁ?

とにかく正規で日本には入ってきていないモデルだと思います。

これは20年位前に購入した物で殆ど乗っていないのですが、いろいろな思い出が有って

どうしても売っぱらえずにいたわけです。

ちなみにですが、購入したときの走行距離は7万8千キロでした。

購入価格ですか・・・・・新車のモンキーよりも高かった。

普通に買えば、せいぜいいいところ5万ぐらいでしょうねぇ・・・。いろいろ訳ありで。

150ccなので車検も無く、そのままほっぽっておいても税金の2千4百円さえ毎年払えば

いいので、段々とその存在すら忘れ去られそうになっていたのですが、ふとカバーを

めくってみると結構錆が浮いて、あちらこちらやばい雰囲気。

このままレストアするのも芸がないので「大改造」することにしました。

と言うよりも、今更この使いこんでボロボロになったエンジンをレストアするってのも

なんだか馬鹿馬鹿しい。そんな貴重なバイクって訳でもないしね。と言うわけで、改造。

どんなことをするかをざっくりと説明すると「250cc4気筒エンジンをフロアに積む」です。

ユーチューブを見ていたところ、ベスパのフロアにでかい4発のエンジンを積んで疾走

している動画が目に付きますが、僕のイメージは30年ほど前のミスターバイクという

雑誌に載っていたベスパです。

確かCB550(SOHC4気筒)をフロアに積み、スイングアームが追加され、チェーン駆動

とし、更にターボで武装したつや消し黒のベスパが掲載されていたんです。

何ともメカメカしい雰囲気で、かといって「切り貼りして作りました」というがさつなイメージ

がなく、「これいいじゃん」と思ったのを覚えています。言うなればドクタースランプ

アラレちゃんに出てくるメカのような・・・・。これに乗っていたらオサレじゃね?などと

思いつつ、見た目はかわいいんですが、なんだかとんでもないマシーンを想像し、

どうせならそういうぶっ飛んだ奴を作りたいなぁ・・・・・・等と思ったわけです。

ところが僕にはそんなことをする技術は全くありません。

そこでスーパーテクニシャンの友人に相談したところ「面白そうだからやってみよう!」

といってくれました。

とはいえこれ、シャレにならないほど大変!!

「ただ単にフロアに4発のエンジンを積んで、センター出ししてチェーンでつなげる」

なんて生やさしい物ではありません。エンジン積む以前の問題が沢山!!

まずホイールが・・・・ないんですよ、ちょうどいいのが。

有ったとしてもハブが合わない。で、ハブから作るという・・・・。

アルミブロックから削り出しで作成です。

最近の若い子は車やバイクに興味が無い人が多いから、こう言うのみても「なんで

そんなことするの」と思うでしょう。

ふっ。それが男のロマンって物なんだぜ少年。いつか君が大人になって、なんだか

バイクって面白そうだな、と思うことがあったら俺のことを思い出してくれよ。

・・・・・なーんて言いたくなっちゃいますよね。

意味なんか無いんですよ。やりたいからやる。そしてその技術は僕にないけど運がいい

事にそういうスーパーな技術を持った友人がいたのでその人を巻き込んで・・・・。

本当に楽しいですよ、こういうの。

このベスパ、250cc4気筒のエンジンを積むと言う以外、全く行き当たりばったりで

作り始めてます。

だから最初から図面引いて全体像をハッキリさせておりません。当然一つ一つの

パーツを作るに当たっては図面を引きますが、これからどうなっていくか全く不明。

段々と現物あわせで形を作り、その仮定で友人が「こんなの面白くね?」と言えば

それが実行に移されますし、或いは「こんな事したい!!」と僕がいくらいったとしても

「めんどくさいからヤダ!」と言われれば中止です。

そんなわけで、既に製作に入ってから数年が経過しておりますが、いまだ、ぼんやりと

したモノしか形になっていません。

とはいえ、既にホイールのハブなどはアルミの削り出しで製作したりしてますので、

超長期計画ではある物の、立ち消えはないでしょう。

もしご興味のある方はたまに(1年に1回くらいは更新できると思うので)覗いて

見てください。