健二さんの楽しい数学(37)

 

( 今月の問題 )

(A)  カレンダーを見ると日付を表す数字が並んでおり,  9月は  1日から30日までありますが日付の数字の中から 33列の, 例えば  3,4,5, 10,11,12,17,18,19 のような9つの数字のブロックを10切り取ることが出来ます。

 この3行3列のブロックの9つの数字の積は同じ9つの数字の和で 割り切れることを 示してください。

 

 

 

(B)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

A

B

C

D

E

F

G

H

 

 上のトーナメント表において, Aには5,  BからHには 1,2,3,4,6,7,8 のうちのいずれかの数を1つずつ割り当てて持ち点とします。  どこにどの数が 割り当てられるかは 分からないものとします。

 ここで上の表のとおり対戦し 持ち点が多い方を勝ちとすると,  Aが 優勝する確率は どれくらいでしょう。

但し, 対戦ごとに, 勝った方の持ち点には負けた方の持ち点が加算されるものとします。 例えば Aの最初の対戦の場合,  Aの持ち点は5ですが B2ならAが勝ち,  Aの持ち点は7 となります。 持ち点が同点の場合当初の持ち点が小さい方が勝つことにします。 

 

 

 

 

 

 

 

 

( 先月の問題 )

( A )   を 11 で 割った 余りを 求めてください。

 

 

( B )                

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

↑ 

 

 

 

 

 

a

b 

c 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 上図で,  a は水色, b は緑, cは黄色のマスの上を, 矢印の方向に回るものとします。 それそれが 同時に1マスずつ回る時,  a,b,cが 横 又は縦の直線上に隣接して並ぶのは, a (b,cも同じ) が 何マス回った時でしょうか。 

 また, 一回ごとに  a は1マス, b2マス,  c3マス進む場合と, a は 1マス, b3マス,  c5マス進む場合についても考えてください。

 

 

( 参考問題 )

先月号と同じ桂馬の問題です。 桂馬は、奇数回の移動で 最初のマスに戻ることができるようなケースは考えられるでしょうか。 自由に発想してください。

 

 

 

( 解答 )

(A)    =   =   

   ここで,  

     (n=1,2,3,・・・) を 11で割った余りは

   3,9,5,4,1,3,9,5,・・・ の周期になりますから

   を 11で 割った余りは 1となり, これが 解となります。

 

 

 

(B)  問題の図のマスに番号を入れてみます。(b a,cと逆に進むため逆に番号を入れます。)        図1

12

11

10

9

8

7

6

5

13

11

12

13

14

15

16

4

14

10

6

5

4

3

17

3

15

9

7

 

 

2

18

2

16

8

8

 

 

1

19

1

17

7

9

10

11

a

b

c

18

6

5

4

3

2

1

27

19

20

21

22

23

24

25

26

 a は水色,  bは緑,  cは 黄色のマスを進みます。

 

a,b,c が 回る マスの数は 1周が 12,20,28 , これらの 最小公倍数は 420となり、 a,b,c はそれぞれ420のマスを回れば, 最初の 0,0,0  (a,b,cと書かれたマス) の位置に 揃うことになりますが, その前にも揃うかどうか 調べましょう。

ab,  ac,  bc,  abが横又は縦の線上に隣接して並ぶ時を 揃う と呼ぶことにします。上図を見ると a 3のような角にある数については,  3,17,3  及び  3,15,7  と揃うポイントが 2箇所あることが分かります。この点がこの問題の煩わしいところですがここでは簡単に考えることにしましょう。

 

  先ず,  a,b,c がそれぞれ決められたマスの上を1マスずつ移動する回数をn とした時,  n 回でa, b, cが回ったマスの数を12, 20, 28で割った余りを ,   とすると,  , 上図で横又は縦に揃っている時の数字になる  n  の値を求めれば良いことになります。

 

(1)   最初に abについて考えてみます。

 ab が a, b と書かれた最初の位置から回り始めると,  = 8  の時に = 8 が  隣に来ています。 これは 揃ったということですが何故 8の位置で揃うのか 考えてみましょう。

a, b は最初の位置から x 進んだ時に揃うとすると,  x + x 4 =12   の関係があり,  x = 8となります。 b は 緑のマスを回るため, 水色のマスを回る場合に比べ  1つの角ごとに 2つ余計にまわることになりここでは角を2つ曲がるため 4を引きます。 b は緑のマスを8つ進んでいますが,  aの水色のマスに換算すると 逆回りに4進んだことになり,  a8なので計12となり a,b は揃います。

  次に,  y 進んだ時に 再び揃うとすると, 上図より直接見つけても良いですが, 計算すると,   8 + y 12 + 4 + y 2 =12   より,  y = 7 となり  となります。 (ここで, 左辺で12を引くのは,  aが 最初の位置を通過するためです。 また, b は 緑のマスでは 8ですが水色のマスに換算すると 4 8と書かれたマスですが 逆に回るため 4とします。)の位置から出発し,  角を1つ曲がるため 2を引きます。)

今回は,  7進んだ時に 揃いましたがこれは, bが角を1回しか回っていないことに依ります。

a bが揃うパターンが分かりましたので後は 図1を見ながら事務的にa,bが揃う時の   の一部を求めると 表1のようになります。

 

 a と c については 同じ方向に進み,  c aの角ごとに4多く回るため,  c = 3以降 aから遅れ,  c = 21 で 再び 2周目のa と揃います。

 c が揃う場合の一部は 表2のようになります。

 

1

2

n

n

8

8

8

0

0

0

15

3

15

1

1

1

23

11

3

2

2

3

30

6

10

3

3

3

38

2

18

21

9

21

45

9

5

22

10

22

53

5

13

23

11

23

60

0

0

24

0

24

105

9

5

84

0

0

105

9

21

 

acについては 上表では省いてありますが,  n2583 の間に,  n=42,43,44,45,63,64,65,66 でも揃っています。従って, 最小公倍数の n = 84 までの間に が 011 全てで揃っています。

どのようなメカニズムで揃うのでしょうか?

 

  上表より,  n =105 の時  =9,  =5,  = 21  となり縦に 揃っていることが分かります。

 

(2)  次に,  b2マスずつ,  c3マスずつ進む場合です。

  a 5マス進む時,  b 10マス進みますが 角を2か所通過する場合,  aに換算すると-4 6となります。 従って,  a, b は a5マスか6マス進むごとに交差又は揃うことになります。 但し は偶数であるため,  が奇数の時は揃わずに交差することになり, 偶数マスから (5マス) + (6マス) 進んだマスでは  は奇数になり,  abとはなかなか揃わないということになります。

 ab の最小公倍数は60 ですから,  n = 59 までを調べると a b は7回 揃わずに交差し,  n = 6, 22,44 の 3回で 揃っています。

a c については最小公倍数の84 の時に揃いますが,  2つ手前の82でも    =10,  = 22 と 揃っていることが分かります。この時,  a b も揃っていますから  =10,  =4,  = 22 と 揃うことになります。 これはマスの数と 回る速さなどが うまくかみ合ったというところでしょうか。

 

(3) 最後に 1回でb3マスずつ,  c5マスずつ進む場合です。

 ab の最小公倍数は60,  n = 1 から n = 59 までの間に 6回揃わずに交差し, 7回揃い最初に揃うのは n = 9 の時  = 9,  = 7 ,  = 17 と cも揃っています。 考える間もなく, こんなに早く揃うのは意外です。何故でしょう。

 

 a, b, c のマス数の最小公倍数は420です。この時, a,b,c は揃って最初の位置に戻ります。 従って, (1)(3)では 半分のn = 210 でも揃いますが, (2)では bが 10進むたびに1周してしまうため 揃いません。

 では,  1/4 n=105 ではというと,  (3)は揃いませんが 何故か (1) は揃います。(1)でも abは逆に回るわけですが何故 揃うのかを見てみましょう。

 

 (3) では,  n = 1 からn = 420 までの間に,  a は水色のマスを35,  b は緑のマスを63,  cは黄色のマスを75周します。 n = 210 では,  a は 17.5 周 bは 31.5 周 c37.5 周 それぞれのマスを回ります。 3つとも1周の半分の位置で止まり揃っています。

 

 n = 105 では, a は 8.75, b は 15.75,  c 18.75周 回ります。 a bでは逆回りですから 同じ0.75では 揃いません。

 (1) では,  n=210では aは 17.5, b は 10.5,  c 7.5周 回り,  n= 105 ではaは 8.75, b は 5.25,  c 3.75周 します。 

このため,  (1) では n = 105 の時にも 揃っています。

 ( 上記のパターンは,  a,b,c の回るマス数 12,  20,  28  1/2の位置と a,c

1/4 と bの 3/4 の位置が揃っていることに依ります。)

 

 しかし,  (2)(3) では 上のパターンから外れたところで 揃っています。

(2)での a c ,  n = 36,38,40,42, 78,80,82,84 で 揃っています。これらが揃うメカニズムも面白いところです。 

 その他にも いろいろ整理する点が多いようです。興味のある方は いろいろ考えてみてください。

 ※この問題は,  n = 420  までの  ,  を計算して, 図1と 見比べれば

答えは出ますがこれでは特に考えるところもなく あまり面白くないよう

です。

 

 

 

 

 

( 参考問題 )

  この問題については 平面では無理と思われ, 3次元で考えてみます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

先ず,   上図のように細長い紙に2列のマスを書き, メビウスの帯にして左端の2マスと右端の2マスを重ねると, 桂は奇数回で 最初の位置に 戻れますが表と裏になります。

 

 次に 下図のような八分の一の球で 考えてみます。( 赤い線は 赤道部 )

8分の1球.jpg

 

 上図の八分の一球 の表面( 直角球面三角形 )に 下のマスを 貼り付けます。

もっと縦横が長くなるようマス数を増やすべきですが,   簡単にするため少なくしました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                             ( 8行目の下線が 赤道部です。)

 最初, 桂を極の位置に置くと 奇数回で極に戻れます。

 

この問題と解は, 非常にあいまいでいい加減ですが, 単にいろいろ発想していただくためのものです。 上のほかにも いろいろ考えてみてください。