堪らなく楽しい数学(13)


(ゼロ除算の研究を行う存念)

  数学については、発見の詳しい状況、位置づけなどについても触れて来ているが、 新しい結果は、予想できない、驚嘆すべき結果を述べている。複素解析学では、1/0 は無限遠点、無限と考えられており、実数でも ゼロを小さな正か、 負の数でゼロに近づくと考えれば、正の無限大や、負の無限大に発散すると考えるのが、世の常識である。 それが関数 y = 1 / x は 原点で、突然、ゼロであるとして、強力な不連続性を示しているからである。それは世に有る爆発や衝突などの強力な不連続性を示す、基本的な現象の型を与えるのではないかとの明るい予想を展開している。ここで、触れたいのは、全く、新規な現象が現れたときの 我々の取り組む姿勢、精神の問題である。

 

如何に対処すべきかについて繰り返し、反芻して、そもそも数学とは何だろうか、そもそも人間とは、人生とは何だろうかとの根本的な問題が反芻されてきた。

しかしながら、既に述べてきたようにこれらの問題については、既に十分に準備されていた。数学とは何だろうかについては文献を紹介して、本質を述べて来た。
人間と人生についても、人間存在の原理として、人間とは 知り、求めていく存在であるとして、
― 哲学とは 真智への愛 であり、真智とは 神の意志 のことである。哲学することは、人間の本能であり、それは 神の意志 であると考えられる。愛の定義は 声明146で与えられ、神の定義は 声明122と132で与えられている。―
 人間は何でも知りたい、究めたい、それが本能である。しかしながら、そんなのはつまらない現象であると理解して、考えない方は、それも もちろん良いのであるが、いろいろ考えると楽しいとするのが、真理を追究する人間の本性に合っているのではないだろうか。ユニバースには 何でもありで、いろいろ裏があると考える方が、人生や研究を豊かにするのではないだろうか。 ユニバースと数学は どのように成っているのか、知りたいと考える。


 新しい割り算の意味の位置づけ、評価は 世界史が明らかにするわけであるから、どのような影響を 世界史に与えるかは、もちろん、直ぐには分らない(再生核研究所声明 41:  世界史、大義、評価、神、最後の審判)。

 

不可能であるとされてきたゼロ除算が可能であるという、いわば、 新大陸が発見された。我々の世界は十分広いから、新大陸など興味ないでは、人間存在の原理に抵触するのではないであろうか。もちろん、我々の世界で、充分忙しく、楽しいので、余裕がないは良く理解できる。しかしながら、驚嘆すべき、全く新奇な世界が出現した、しかもそれは数学の根本である四則演算に関わる問題である。無限を数の世界から排除する世界を述べている。永い間の定説、無限遠点の存在を否定する世界(数として)。ゼロ点と無限の彼方が、通じている。このような構造を想像するとき、世界はどうなっているのかという、真智への激しい愛が湧いてくるのではないだろうか。新奇な現象こそ、大事で究めるに値する現象ではないだろうか。世の興味を懐く方々に挑戦して頂きたいと考え、これらの事実と存念を世に紹介したい。多様な人間による多様な考えは もちろん 研究を進める基本である。ゼロ除算の新大陸は、変わった人が、変わった思わぬ世界を発見できる大きな世界ではないだろうか。

 

ゼロ除算の数学は、我々の世界は 一体どうなっているのであろうか。

ゼロ除算を数学の立場からみれば、西暦628年インドでゼロが記録されて以来の発見であるから、全く未知の新しい数学、前人未到の新世界の発見である。すなわち、ゼロで割るは 不可能であるゆえに 考えてはいけないとされてきたところ、ゼロで割ることができるとなったのであるから、それでは、そのとき、どのような世界が開かれてくるか、と全く未知の世界を探検できる。現在、新しい結果は 出版済みの高校生にでも理解できる簡単な論文、と検討中の21ページの原稿のみである。現在、数学は高度化、深化、細分化して、難しいのに、ゼロ除算の研究はほとんど新しい数学で、基本的、初期の段階であるから、大いに素晴らしい基本的な研究ができる状況にあると言える。

 

ゼロ除算の最も関与している研究は まず 第1に複素解析学への影響、複素解析学の研究ではないだろうか。実際、ゼロ除算は、ローラン展開そのものの見方から始まり、それは佐藤の超関数や特異積分などに関係している。

第2は、 ゼロ除算の物理学への影響である。 これは、ニュートンの万有引力の法則など多くの物理法則の公式に、ゼロ除算が現れているので、それらに対する新しい結果の解釈、影響である。

第3は ゼロ除算の代数的な、あるいは作用素論的な研究である。これらも始まったばかりであり、出版が確定している論文:

 

S.-E. Takahasi, M. Tsukada and Y. Kobayashi, Classification of continuous fractional binary operators on the real and complex fields, Tokyo Journal of Mathematics (in press).

 

が、この分野の最初の論文で、Dr. M. Dalla Riva氏と高橋眞映山形大学名誉教授が半群でゼロ除算の一意性の一般化を論じて幾つかの成果を纏めているだけで 広い研究課題が存在すると考えられる。

 

これらの分野では、誰でも先頭に立てる全く新しい研究分野と言える。

全く、新しい研究分野となると、若い人がやみくもに挑戦するのは危険であると考えるのは、よく理解できるが、ある程度自己の研究課題が確立していて、多少の余裕がみいだせる方は、新しい世界を自分の研究課題と比較しながら、ちょっと覗いてみるかは、面白いのではないだろうか。思わぬ関係が出てくるのが、数学の研究の楽しさであると言える面は多い。アメリカ新大陸に初めて移った人たちの想い、ピッツバーグの地域に初めて移住した人たちの想いを想像してみたい。ゼロ除算は 新しい数学、新世界である。

 

小学生にも理解できる、新しい基本的な数学、概念が現れた。基本的なゆえに、ゼロ除算は、universe の理解に大きな影響を与えるのではないだろうか。この世界が どれくらいの広がりがあるかは 分からない。しかし、ゼロ除算は、簡潔な結果をもたらしたが、ゼロ除算は 同時に 新たな神秘的な構造を 世にもたらし、数学の世界を一層深いものにしている。

 

   ( 以下、次号 )