堪らなく楽しい数学


 

(今回はゼロ除算の現状を報告して、その後 順次ゼロ除算から導かれる新しい一般向きの結果について解説していこう。)

ゼロ除算は余りにも有名で、基本的、予想外の結果であったので、もちろん数学的に厳格に議論する必要があり、初歩的な数学的内容にも関わらず、広く国際的に意見を求め、繰り返して検討したのは当然である。新しいこと、新規性と数学的な論理の確定後は、実在感、実在性を示す方向で、検討している。最近はユークリッド幾何学や力学、解析幾何学に広範にゼロ除算が現れるとともに微積分学,微分方程式などについても新しい視点、解釈などが現れて、ゼロ除算は基本的な数学であることが確認されている状況であると言える。

 

詳しく歴史を調べているC.B. Boyer氏の視点では、ゼロ除算を最初に考えたのはアリストテレスであると判断され、アリストテレスは ゼロ除算は不可能であると判断していたという。― 真空で比を考えること、ゼロで割ることはできない。アリストテレスの世界観は 2000年を超えて現代にも及び、我々の得たゼロ除算はアリストテレスの 物理的な世界は連続である に反しているので受け入れられないと 複数の数学者が言明されたり、情感でゼロ除算は受け入れられないという人は未だに結構多い。

 

数学界では,オイラーが積極的に1/0 は無限であるという論文を書き、その誤りを論じた論文がある。アーベルも記号として、それを無限と表し、リーマンもその流れで無限遠点の概念を持ち、リーマン球面を考えている。これらの思想は現代でも踏襲され、超古典アルフォースの複素解析の本にもしっかりと受け継がれている。現代数学の世界の常識である。これらが畏れ多い天才たちの足跡である。こうなると、ゼロ除算は数学的に確定し、何びとと雖も疑うことのできない、数学的真実であると考えるのは至極当然である。― ゼロ除算はそのような重い歴史で、数学界では見捨てられていた問題であると言える。

しかしながら、現在に至るも ゼロ除算は広い世界で話題になっている。まず、顕著な研究者たちの議論を紹介したい:

 

論理、計算機科学、代数的な体の構造の問題(J. A. Bergstra, Y. Hirshfeld and J. V. Tucker

特殊相対性の理論とゼロ除算の関係(J. P. Barukcic and I. Barukcic

計算器がゼロ除算に会うと実害が起きることから、ゼロ除算回避の視点から、ゼロ除算の研究(T. S. Reis and James A.D.W. Anderson

 

またフランスでも、奇怪な抽象的な世界を建設している人たちがいるが、個人レベルでもいろいろ奇怪な議論をしている人があとを立たない。また、数学界の難問リーマン予想に関係しているという。

 

直接議論を行っているところであるが、ゼロ除算で大きな広い話題は 特殊相対性理論、一般相対性理論の関係である。実際、物理とゼロ除算の関係はアリストテレス以来、ニュートン、アインシュタインの中心的な課題で、それはアインシュタインの次の意味深長な言葉で表現される:

 

Albert Einstein:

Blackholes are where God divided by zero.

I don’t believe in mathematics.

 

George Gamow (1904-1968) Russian-born American nuclear physicist and cosmologist remarked that "it is well known to students of high school algebra" that division by zero is not valid; and Einstein admitted it as the biggest blunder of his life.  [1]

1. Gamow, G., My World Line (Viking, New York). p 44, 1970.

 

ゼロ除算について長い論文を書いているRobert S. Miller 氏とも議論をしているが、上記3グループとも議論し、質問に答え、彼らの論点はおかしいと主張している。彼らは暫く沈黙していたが、最近議論が活発化して、我々の理論、立場について、了解が、理解が得られていると判断される。交流の輪もどんどん広がっている。

 

ゼロ除算は 数学として完全な扱いができたばかりか、結果が世の普遍的な現象を表現していることが実証されたと考えている。それらは3篇の論文に公刊され、第4論文も出版が決まり、さらに4篇の論文原稿があり、討論されている。2つの招待された国際会議で報告され、日本数学会でも2件ずつ2回(ともに春の学会)発表された。また、ゼロ除算の解説(2015.1.14;14ページ)を1000部印刷配布、広く議論している。現在までに理に叶った批判は一切出ていない。そこで、ゼロ除算の位置づけを纏めるとともに、ゼロ除算の公認を求めている(再生核研究所声明 279(2016.01.28)   ゼロ除算の意義; 再生核研究所声明280(2016.01.29)  ゼロ除算の公認、認知を求める;Announcement 282: The Division by Zero z/0 = 0 on the Second Birthday )。

 

( 以下、次号 )