堪らなく楽しい数学


― 国際会議 https://sites.google.com/site/sandrapinelas/icddea-2017 報告

ゼロ除算の解説を始めてから今月で4年目に入る。ゼロ除算に関心を持つ人たちから、まだ認められないのか等の意見が寄せられている。確かに世間の理解を得るのに 予想以上の時間が掛かっている実情はあると考えられる。そこで、ゼロ除算については、既に相当な世界を拓いていると考えるが、世の理解を求めている状況下で、理解と評価、反響にも関心がある。 そこで、ゼロ除算の反響、評価、意義などの観点から、少し存念を述べていこう:

 

ゼロ除算の結果を最初に国際会議で報告したのは、2014年9月07-13日Hungary,

HajduszoboszloでのConferenc on Inequalities and Applications’14であった。一様に驚きを顕にして、相当びっくりの状況であった。特にベネゼラの人たちに、夕食後談話していた折に、どうかと念を押したら、笑うもの、頭を抱えてしまった人もいて、印象深い。ところがハンガリーの老教授は真剣に丁寧に論文を読んで、証明の正しさを確信して、多くの人に公式晩餐会で、結果は正しいと言っていた。ISAAC マカオ国際会議では、招待、全体講演を行い、ゼロ除算について、ニュースの話題として触れ、 論文も発表したものの(Qian,T./Rodino,L.(eds.): Mathematical Analysis, Probability and Applications -Plenary Lectures: Isaac 2015, Macau, China.  (Springer Proceedings in Mathematics and Statistics, Vol. 177) Sep. 2016  305pp.(Springer)  内容より結果に対する驚きの感じであった。証拠の結果、円の中心の鏡像が、世の常識、定説と違って中心自身であることを図示して関係者に示したが、反響は半信半疑の感じであった。

最近、2017.6.4-9、頭記の200名を超える大きな国際会議で、ゼロ除算と微分方程式についての題名、内容で招待され、真正面からゼロ除算の成果を発表することができた。

ゼロ除算には、世界史と世界観がかかっているとの認識で、この国際会議を記念すべきものとするようにとの密かな望みを抱いて出席した。

まずは、3日目 正規の晩餐会が開かれる恵まれた日に 最初に全体講演を行った。主催者の学生が多数出席されたり、軍の専属カメラマンが講演模様を沢山写真に収めていた。図版を用意し、大事な点はOHPで講演中図示していた。用意した原稿は良く見えるように配慮したので、全貌の理解は得られたものと考えられる。 結びには次のように述べ、示した。宣言文の性格を持たせるとの意思表示である:

The division by zero is uniquely and reasonably determined as   =

 in the natural extensions of fractions.

We have to change our basic ideas for our space and world.

We have to change our textbooks and scientific books on the division by zero.

Thank you for your attention.

 

講演に対して、アラブ首長国の教授が、現代数学を破壊するので、全て認められないとの発言があった。後で、送迎中のバスの中で、とんちんかんな誤解をしている教授がいることが分かった。過去にも経験済みであるが、相当に二人共 感情的に見えた ― それはとんでもないという感じである。しかしながら閉会式に参加者を代表して謝辞を述べられたギリシャの教授が、画期的な発見で、今回の国際会議の最大の話題であったと述べられた。要点について話したところ、要点の全てについて深い理解をしていることが確認できた。さらにゼロ除算の著書出版の具体的な計画を進めたいという、時宜を得た計画が相談の上、出来た。― 表題はギリシャ語で書いて裏に訳を付けると具体的なことを言っていたが。その後連絡が取れない。

そこで、講演原稿と図版を出席者たちにメールし、助言と意見を広く求めている。理解できないと述べられた人にも 要求に応じて送っているが、現在までのところ連絡、返答がない。

主催者から、50カ国以上から200名以上の出席者があったと報告されたが、そのような国際会議で、招待、全体講演を行うことができたのは 凄く記念すべきこととして、出版される会議録、論文集の出版に最善をつくし、交流ができた人々との交流を積極的に進めていきたい。尚、正規の日本人参加者は8名であった。もちろん、ゼロ除算の解説記事を渡し、ゼロ除算の意義をきちんと説明したが、基本的な理解は得られたと考えている。

ゼロの発見国インドからは6名参加していたので、1300年も前に0 / 0 = 0が四則演算の創始者によって主張されていた事実を重要視してその状況を説明し、特に対話を深め、創始者に関する情報の収集についての協力をお願いした。ゼロ除算について理解した、分かったと繰り返し述べていたが、どうも感情が伴わず、心もとない感じであった。若いカナダの女性に印象を伺ったところ、沢山の具体例を挙げられたので、認めざるを得ない、内容や意義より驚きの感じで、それが講演に対する全体的な反響の状況を表していると考えられる。

歴史は未来によって作られる。今回の国際会議の意義は 今後の研究の進展で左右されるものと考える。しかしながら十分な記録は既に残されていると考えている。     適当な時期に、国際会議後の様子などを報告したい。

ゼロ除算の発現の簡単な例をあげておきたい。関数 y = mx + b は y切片が b 傾きmの直線の方程式である。m は全ての実数と考える。 問題は、mをどんどん正の無限大や負の無限大に近づけると、 直線は y軸にどんどん近づく、 しかし、 無限は普通の意味での数ではないので、この直線の方程式はy軸を表すとは言えない。 ここに微妙な感じがある。ところが方程式を y / m = x + b / m と変形して、ゼロ除算を用いると、スッキリとy軸が x = 0として出て来ることが分かる。詳しい説明を行うよりこの微妙な楽しい現象を深めて味わって欲しい。

次回はゼロ除算の意義、評価などと解説を続けたい。

 

                ( 以下、次号 )