庚申山から鋸山へ(足尾)(2003/10/19)

早朝の銀山平を後に一の鳥居を目指して歩き始めます。
長い今日の道筋を考えながら、足の状態を確かめるようにペースを上げて歩きます。

出発から2時間10分ほどで、庚申山の上り口にある庚申山荘にたどりつきました。後ろには庚申山の岸壁が迫ってきます。

本当は入山禁止の庚申山の山めぐりの道に入ってしまいました。
道の途中から東を見ています。足尾の山が連なっています。
庚申山の道は相当荒れていました。冷や汗を掻きながら先へ進みます。
大胎内めぐりまで戻ってきて、ここから庚申山の山頂を目指します。
段々登ってゆくと後ろには早くも雪化粧の富士山が姿を見せてきました。
そして近くには袈裟丸が見えています。 庚申山にたどり着きましたが、樹木に邪魔されて展望はききません。
庚申山からちょっと西へ歩くと展望台があり日光の山々の展望が一気に開けます。白根の特徴ある山頂が見えます。

西へ目を移すと皇海山の姿が大きく飛び込んできます。
皇海山はこの方向から見る姿が一番立派なようです。
その左側には今日の最終目的地の鋸山が控えめに従っています。
でもその前の尾根道は岩肌をむき出しにしていますので、大変な道筋になりそうです。

目を東の方に向けますと、男体山と太郎山の頂きがわずかに見えています。 はっきりしない尾根道に苦労しながら藪こぎをして先を歩きます。
薬師岳まで来ると、この後はもう岩場の連続になります。鎖場ありはしごありで下は断崖絶壁と脚のすくむような道の連続です。 薬師の山頂からはいよいよ皇海山が間近に迫ってきます。 西に目を向けますと、不動沢のコルの上に上州武尊山が見えてきました。

男体山の方向を見ますと、先ほどまできれいに見えていた頂きに雲がかかり始めました。
松木沢をはさんで見える前日光の山並みは壮観です。
ずいぶん前に松木沢を遡行したことがありますが、その頃よりは大分ルートが整備されたようです。
さあ気を引き締めて、この後の岩場を乗り越えて行きます。

苦労しながらようやく鋸山にたどりつきました。
北には皇海山が大きな姿を見せています。その後ろには白根山が見えてこの山頂からの展望はすばらしいの一言に尽きます。
標高が1998mと物足りない高さですが展望のきかない皇海山に登ったら、ついでに不動沢のコルから反対側の鋸山へ登ってください。
天気の良い日でしたら、きっとその眺めに満足されると思います。

あいにく段々雲がかかってきましたが、山頂から男体山方向の眺めはすばらしいの一言です。
松木沢の深い谷をはさんで見える日光の山々の眺めは一見の価値があります。
私はこれから先の長い帰り道を考えて早々と六林班峠へ下ります。
この道は余り整備がされてなく、藪こぎの連続になりました。
峠に近づくと刈りはらいがしてあり段々歩きやすくなります。

六林班峠で突然鹿に出会ってしまいました。熊笹を食べていたようで、特に慌てて逃げるそぶりはありません。
それではと記念撮影をさせていただきました。
峠から庚申山荘までの道はおよそ2時間の長い道中です。でも時折見事な紅葉が出迎えてくれてホッとさせてくれます。
見事な白樺の林。
今日は帰り道を急いでいるので中々悠々と景色を眺めていられませんが、この道はそれほどアップダウンが激しくありませんし、時折沢に出会って水も随時補給できて楽な道でした。
峠から約2時間ほどで庚申山荘へたどりつきました。
ただ時間はもう午後の4時になろうとしています。これから約2時間の帰り道がまっています。
休息も程ほどに切り上げて帰りの道を急ぎます。疲労がたまった足は悲鳴をあげそうになりますが、だましながら迫る夕闇の中を銀山平へ急ぎました。
途中で親子の猿と出会ってしまいました。この他に今回は雉、山鳥、鹿と出会いました。本当に自然の豊かな山々でした。


天候を見て急に思い立って歩いて見ましたが、道中の長さに足は疲れましたが、野生動物たちとの出会いあり山からの眺めのすばらしさに魅せられたりと疲れた以上の感動でした。


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このページの最終更新日は:2013/04/03